2009年11月13日金曜日

ドル、破滅のループか

ザ・ベースライン・シナリオの「ドル、破滅のループ」を読む。

まあ誰でもが見させられている光景ではある。大要、こんな議論になっている。

米国ドルが値は他の主要通貨で尺度してその価値における大きな下落のまっただ中にある。2002年以来下落は安定していたが、我々の通貨はそのピークから約35パーセント下がっている。過去18カ月のグローバルな金融危機の期間、10パーセント少し強くなった後に、ドルは再び危機以前の安値に向かって下がっている。1967年以来の最安値である。

しかし、ドルがすぐにもよりいっそう速く下落する可能性があるのはあきらかである。

一般的な経済戦略のレベルでは、米国政府は金融部門危機に積極財政で対応してきた。そして連邦準備制度理事会は緩和的な金融政策を実行している。英国中央銀行ので金融安定に責任を負うAndrew Haldaneはそれをこのように表現する:

「当局にとって(金融部門の行きすぎたリスクテイクは)ジレンマを引き起こす。事の前には、彼らは「決して再び」というかもしれないが、危機の事後のコストはこのような言明が真実ではないことを意味する。このことを知ると市場参加者の合理的な反応は彼らの賭けを倍にするというものだ。これが将来の危機のコストに付け加わるのである。そしてこうしたコストが大きいほど、「決して再び」という表明の真実性は低くなる。これは破滅のループである。」

さらに金融危機に加えて、大きな経常収支の赤字がある。これは世界から販売するより多く購入していることを意味している。赤字は最新の利用可能な第二四半期のデータで1000億ドルである。そしてこれに海外から流入する資本でファイナンスする。(経常収支の赤字は約6%から下がっているが、低下の三分の二は石油価格の低下による)

これまでこうした資本流入の多くは様々な種類の民間投資であったが、世界中の投資家は米国政府の債務及びドルが本当にペーパー上の価値があるのかどうか問題にするので、海外から赤字にファイナンスするのがますます難しくなっている。

このことはドルにとって何を意味するのか。

財務長官ティモシー・ガイトナーは、米国経済にとって、強いドルが「非常に重要」であると繰り返すが、米国の財政・金融政策は貨幣価値低下へと押しやっている。銀行を救済するためにチープ・マネーが必要である。そしてこれはインフレを含意している。経常収支の赤字にファイナンスするためには、投資家たちが米国から安価な資産を購入していると考える必要がある。・・・

ドルの「ハードランディング」は苦痛であるかもしれない。

1980年代の古典、スティーブン・マリスの『赤字とドル:リスクに瀕する世界経済』は急速なドルの下落が米国をインフレへ押しやり高金利と深刻な景気後退をもたらすと強調した。フレッド・バーグステンはフォーリン・アフェアーズの最新版で書いているが、こうした結果が今日でもありうると強調している。ドル安傾向はインフレ懸念を引き起こすであろう。したがって長期公債の利回りは投資家にインフレ補正するために上昇するであろう。そして巨額の債務にファイナンスするにはよりいっそうの支払いを必要とするであろう。

米ドルが1998年のロシアや2002年のアルゼンチン、1970年代のブラジルのような、比較的短期間に貨幣価値が50%以上下落したような新興市場に続くかもしれないとの考えはいま信じにくい。しかしこうした「破滅シナリオ」は将来変わらずに非現実的ではあるわけではない。

こうした文脈で、米国政府はこうした調整を順調に維持し、ドルへの信任がさらに下落するのを止めるために財政赤字をコントロールする必要がある。我が政府は支出するよりはるかに僅かな税しか徴収していない。すみやかに税を徴収し支出を抑制するほかに選択はない。

(連銀がコントロールする)短期金利は低いままであろうが、(市場に決定され、財務省と連銀がドルの価値を強く維持することへの信頼によって影響される)長期金利は上昇するであろう。人々がドルへの投資が質を落とすことを恐れるからだ。連銀と英国中銀はなにが起こっているか知っているのは間違いない。長短金利の開き(イールドカーブとして知られるが)は上昇するだろう。そして銀行は利益を得るだろう。住宅購入者や当座貸越やクレジットカードで未済バランスを持つ者は負担が増えよう、貯蓄者は少数となる。

これが公衆が過去の金融システムの損失を負担する仕方である。

我々はこれを何度も繰り返す必要はない。我々は根本から我々の金融システムを変えることでスタートしうる。我々は大銀行が失敗するたびに救済する約束を確実に取り去る必要がある。このことが意味しているのは彼らにより多くの資本を持たせ、彼らを分割し、より小規模にし、彼らがプアなギャンブルをするとき失敗させることである。
破滅を繰りかえし、その損失を公衆が負わされる仕組みは終わらせなければと誰もが思う。たしかに金融システムを変えることは大事だ。そこからスタートできたにしても、ドル安の元にある財政赤字と経常収支の赤字はすぐには解決しうるものではなく、インフレが来よう。それは公衆の負担を増す。ましてや財政赤字の解決のために増税まで必要なのだから、金融危機のしわ寄せを受けながら同時に負担増を耐えねばならず、かててくわえて、経常収支を改善するには、購入する以上に販売しなければならない。米国の困難は容易なものではないなあ。

もちろん、他国を懸念する暇があれば、自国の現状を憂えたほうがよいのではあろうが。

2009年11月11日水曜日

金融取引税

金融取引税にディーン・ベーカーが言及している。

「金融取引税の論理は簡単である。それは株式や先物取引、クレジット・デフォルト・スワップ、および他の金融商品の取り引きに控え目な料金を課すだろう。例えば、英国は株式の販売や購入に0.25%の税金を課す。これは長期間株式を保有しようとの意図を持って株式を購入する人たちにほとんど影響を与えない。

例えば、だれかが1万ドルの株式を買うと、彼らは、購買時点で、税金25ドル支払うだろう。10年後に2万ドルで株式を販売すると、彼らは税金50ドル支払わなければならないだろう。税金の総計は0.8パーセントのキャピタルゲイン税の増加に同等である。」
頻繁に金融取引を繰り返すものはこの税に声高に反発するであろうが、長期投資を督励する効果が金融取引税にはあること、それは実体経済にとってプラスであることが確認されてよいと思う。

2009年11月10日火曜日

資産バブルの崩壊ーートリックの代償

2009年10月28日水曜日

貯蓄率

なんの気なしに投資家向けサイトをみていく。下記が目に留まる。

「中国における高貯蓄率は中国人を傷める」

そのなかにこんなくだりが・・・

「米国の低貯蓄率は文化的なもの。金融危機の後、貯蓄率はマイナスからなんらか5%に上昇してきた。この5%は米国にとって著しい変貌、文化面での変化であると見られている。

しかし、そうではない。5%は驚くほど低いレベルである。いろいろなことが腐っていくとき、5%は大した安全ネットではない。しかし少なくとも、その5%の貯蓄率は、米国人が、物事が実際に悪化していきうると信じていることを示している。それは二年前とはひどく異なっている。

それでも米国人は自信を持っているし、過信さえしている状態であり、我々の制度は世話をしてくれて、社会保障が我々の引退後の貯蓄を補うということだろう。

明らかに、中国の文化は変わっている最中である。そして、これは緩慢なプロセスだ。・・・

中国の貯蓄率は39%と報告される。そして、この数字は中国市民の精神をよく語っている。とりわけ、それは中国人が彼らの経済体制が将来より良い人生を彼らにらに提供すると確信していないことを示しいる。そして、これには深い含意がある、中国の次の動きが何であるに違いないかについての・・・」

貯蓄率が示すものは明白である。将来を楽観しえない者ほど貯蓄せざるをえない。社会が信ずるに足らない社会であるほどそうだ。

米国人はまだ米国社会を信じているということか。将来の世界の支配者、中国の人間は中国社会を信じていない。5%と39%の暗示するをものをどう読むか。そこに読む人が如何なる考えの人であるかも伺い知れるわけだ(^_^)

しかしだ、これまでの貯蓄を取り崩しながら、先行き頼みにしえぬ衰退する国家社会のなかで細々と生活し、ようやく生きながらえている我がジャパンの私のような高齢者にはもうどうでもよいか。いまの子供達は、先行き現在の中国と比べてさえ比較にならぬ悪状況のなか、過酷な生活を強いられ、そのなかでさえ、さらに悪化する将来予想のなかで高貯蓄を目指さざるをえないのかもしれない。

貯蓄率が示すのは残酷な経済の現実か、友愛なんていう金持ちの口先の言の葉ではないことだけは確かかもしれない。

2009年10月27日火曜日

米国、景気回復しないわけ

2009年10月24日土曜日

第10回東亞實學國際學術會議

韓国実学学会さんが「第10回東亞實學國際學術會議」を今月30日(金)、31日(土)に開催されます。

10月30日(金) SEOUL PRESS CENTER 12層國際會議場
10月31日(土) 南楊洲實學博物館

が会場です。

私は「二宮尊德の空間経済」という論題で31日に南楊洲實學博物館で午前中に発表させていただきます。

まあ参加される方はいらっしゃらないでしょうから簡単なご紹介にとどめます。

2009年10月23日金曜日

クラッシュ

Dollar Troubleという一文を読む。

「なによりも「クラッシュ」はあいまいな言葉だ。私はハイパーインフレの範囲に通貨価値が突入する意味に取る。しかしいま私たちは連邦政府が輸出を増やし家計と金融部門の債務の実質価値を減少させようとドルの価値下落を管理しているのを見ている。これはクラッシュではない。主要な貿易相手国と向き合い、米国の地位を改善するという意思で計画された破壊なのだ。それはドルを貯蓄する人を犠牲にしてドルをいっそう競争力あるものにする一種の通貨戦争なのだ。それこそバーナンキが望んでいることなのだ。」

まあ、たしかに私たちが見ている光景だな。