2008年12月9日火曜日

量と質

いまFRBはすさまじい規模の流動性を金融システムに流し込んでいる。

FF金利の水準は1%だし、民間の屑証券購入にも余念がない。先進各国の政策金利は、日本が0.3%で英国2%、カナダ2.25%、ユーロゾーンは2.5%と金融危機のなか、ゼロ近傍に向かっている。

またFRBは日本が手がけたような量的緩和に取り組み、論者のなかには、わざわざバーナンキを「さん」付けで日本式に呼ぶ人もいる。カネが借りやすくなっているわけだが、こうした金融が緩和された状態のなかで、どうも事情に不案内の人もいるようだ。

それでかどうかは知らないが、ウィレム・ブイターがブログで「今度に限り少しだけ」と言って量的緩和と質的緩和について忠言してくれている。

要するに量と質の話だ。

http://blogs.ft.com/maverecon/2008/12/quantitative-easing-and-qualitative-easing-a-terminological-and-taxonomic-proposal/

公式の政策金利(リスクフリーな短期名目利子率)や準備率の変更以外に、中銀が取りうる諸方策について次のような用語法を提案したいというのだ。

○ ひとつは量的緩和。これは金融債務であるベースマネーの増加による中銀のバランスシートの規模の増加を示し、中銀の資産構成は変わらない。

資産構成は中銀が持つ総資産価値に占める各種金融商品類の比例的割合とみてよいから、一定の流動性と危険性をもつ金融債務の増加による中銀のバランスシートの規模の増加を量的緩和の定義としてもよいという。

○ 質的緩和とは、中銀の資産構成がより流動的でなくリスクも高い資産にシフトすることを示す。ここでバランスシートの規模は一定で、政策金利なども変わらない。流動性も低くよりリスキーな資産には、リスクのすべて、デフォルトのリスクまで含まれている。

FRBはいま積極的にこの二つの緩和をしているのだという。

たしかに、ドル札をどんどん刷っているし、救済する企業が保有する屑証券を買い上げてもいる状況をみると、その指摘はなるほどと思う。

特に質的緩和はFRBの財務内容を悪くしていると思う。値段もつかないかもしれないような債券を市中から疎開させて金融業者の再生を推し進めたいのだろうが。

明快な言葉が事を明瞭なものにしてくれるようだ。ブイターの一言を読み、アタマがすっきりした感じがした。

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