2008年12月13日土曜日

血気

経済の先行きについてよく聴かれる。

まあ、長期停滞でしょう、と答えることにしている。

なかには、PrisonPlanetのサイトのように

http://www.prisonplanet.com/from-the-panic-of-2008-to-the-collapse-of-2009

(トップペイジが表示されるので下記用語で記事検索すると出てくる。)
from-the-panic-of-2008-to-the-collapse-of-2009

catastrophism丸出しで

「2008年のパニックから2009年の崩壊へ」

なんて言う向きもある。

これに反して投資家向けのサイトでは、「株式市場はあなたの生涯で最大の買いチャンスをあなたに与えています。おそらく最もすばらしいです。底を探そうとするのはもう止めてください」と言ったり、「いちばん困難な決定は何を買うかということではありません。ただ買うということです。」などと、ずいぶん威勢のいいところもある。

(例えば、http://www.leutholdgroup.com/ ここはユーザでないとアクセスできない。元気を出そうとする方は登録するのがよいかも(笑))

まあ、しかし、本日は週末、いずれになるにしても明日が来てアスが今日になればわかろうというものだ、と突き放して休養。こういうときは発想源を切り替えて楽しむのがよいかな。

そこで、このところ凝っている『五行大義』をめくることとした。今秋から続く金融・経済危機に関連しては、ゲゼル研究会の雑誌、「人間の経済」、通巻230号に「金に従革せず」として書いた。

http://grsj.org/

金の象徴する季節は秋、その方位は西、陽の沈む死を象徴する方位であることを信用収縮が示しているとも読めるなあという他愛ない話を書いたわけ。

まことに、

○ 金者禁也、陰気始起、万物禁止也。

金はカネとしても使われる。カネはなによりも市場の支配権を有している。実体経済の優先性を強調してもカネなくして回りはしない。実に、カネに禁止する拒否権 veto を社会は与えている。そうしていま、世界中のカネは現金に逃げ、キャッシュ同等ともいうべき米国の財務省証券に形を変えている(昨今は、利回りがマイナスになってさえも保有したい人間がいるわけだ)。それは実体経済を萎縮の極みに追い込む。

陰気である。

○ 地反物為秋

まことに

地に物を反すを秋と為す

である。生産の停滞、失業が本格化している。実体経済という太陽は西方に傾いている。

しかし、季節はもう冬である。

かくなれば、同書の続きを読まねばならぬ。陰が究極まで窮まり陽転する季節、冬の話を。

冬を時とするのは五行において、その始まりを為す水である。

○ 両人交一以中出者為水

水とは両人(男女、陰陽)が交わって一となり、その中から出たものを水というわけだ。

そうして、

○ 陰陽交以起一也。水者五行始焉。元気之湊液也。

陰陽交わって一を起こすなり。水は五行の始め、元気の湊液なりと。元気の湊液とは元気の集まったものだ。

○ 水者地之血気、筋脉(きんみゃく)之通流者

だから水は地の血気というわけか。ここでいう血気で、ひとが実体経済に資金を投資するケインズのいう血気を思い起こさせるか。

また、筋肉や血脈の流れだという。まことに、こうしたカネこそ貨幣といいたい。地に万物を返す金ではなくて。

そうした水の季節は冬。

○ 中有微陽之気、其時冬

である。そのなかに微細なる陽気があるという。いま冬といいながら陽気やいずくに隠れているか。

○ 冬終也。万物至此終蔵也。

しかし、冬は終わりを指す。万物はこの冬に至って終わり地中に蔵されている。

まことに辛い季節だ。

○ 冬之為言中也。中者蔵也。其位北方。

冬とは中を言う。つまり蔵(こも)るということ。方位は北。

○ 北伏也。万物至冬皆伏。貴賤若一也。

北は伏なり。万物冬に至りて皆伏す。貴賤一(いつ)の若(ごと)きなり、か・・

貴いものも賤しいものもみな、同じく隠れているのが冬か。

経済の今のごとく血気も隠れているのか。いつ水は陽転するのか。

まことに、

○ 冬陽之所始、陰之所終。

冬は陽の始まるところ、陰の終わるところ。

それがいつか人の知りたいところだろう。しかし、そのためにはさらに「水に潤下と曰う」の条りを読まねばならぬ。

(上記原文の引用は、中村璋八、藤井友子、『五行大義』全釈、上巻による。)

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