2009年1月2日金曜日

壊れた時計

年頭はとりわけその一年が気になり各種の予測に耳を傾けるものだ。しかしそれは多分に占いに似ている。どんな予測でさえ、

「壊れた時計だって一日に二度は正確だ」

と昔から言われるように、的中したと強弁しうる局面があろう。しかし結局誰も将来のことはわからないし、なってみての話というところに落ち着く。

それでも、なんらかの見通しにすがっていたいのも人情。

いま経済が凍り付いていればなおのことである。なんといっても経済の中心は米国、そこをはじめとして世界は同時不況。昨年末、米国のさる調査会社は、米国の投資家は現金や銀行預金、マネー・マーケット・アカウントで資産を8兆8500億ドル保有していると発表した。この18年来最も高い現金選好のようだ。先行きの不確実性から人は資産を流動性の高い資産に待避させて身構えている。カネという経済の血流は凍り付いている。

また米国の消費者信頼感指数は昨年11月は若干回復していたものの、12月はガタッと落ちた。金融システムが動き始め、経済が再活性化するには、人々に楽観が戻り、支出を再開し始める必要があるのだろう。しかし、いまは凍えるような冬である。

○ 家計は大黒柱が仕事さえ失うかもしれず、将来の不安で消費を極端に切り詰める。

○ 企業は利益の見通はつかぬゆえ、設備投資などできるわけがない。

○ 銀行は融資したら返済不能になることを恐れてカネなど貸さない。

○ 中銀は量的緩和でカネを刷っても金融システムに止まり、さらにはCPまで買い切っても、その代金で企業に渡ったカネは、企業内部で現金でもたれるだけだろう。

等々。

で、どこの国の政府も、「いまわれわれはだれもがケインジアンだ」(かつてのニクソン大統領の言葉だったか・・)とばかりに、政府が財政支出、経済刺激をしなくてはという状況。

で、さて、ここからが寝覚めの悪い初夢か。

09年、どうなるのか?1月20日には米国でオバマが大統領に就任する。そのさいの就任演説で、巨額な政府支出プランが発表されるとのこと。7500億ドルにものぼる規模のそれらしい。

それでどうなるのか。

※※しぶとくも、米国はオバマの強運で巨額の財政支出、スペンディングが功を奏するとする。

○ 米国は迅速にリセッションから脱出。09年後半には可能だろう(こう主張する人はいますね。元気づけられる。しかし強気必ずしも強運にあらず)

しかし、そうなったら、

★ 連銀は自らの財務内容を悪化させるばかりの量的緩和はやめたいだろう。

★ さらには、金利もゼロ近傍から引き上げたいだろう。

しかし、これは政治的に拒否されるだろう。

※政府は経済回復にマイナスなことはしたくないもの。

それで、政府は景気刺激策を続けるだろう。

その結果は

インフレ、ドル下落。

※※ オバマに運がなかった。財政刺激が効かない場合は。

○ 米国の不況は深まるばかり。

○ 世界的にも深刻な経済不況が続く。

仕方なく、追加的に財政による刺激策をとるが、そういう状況ではこれも効かない。

連銀にさらにドル札をじゃかすか刷らせる(量的緩和)。

しかしこれも効果なく、デフレが進行。

といっても、他に策はなく、

「どんなインフレもデフレよりまし」の大合唱で、さらにドル札を刷る。

インフレ

○○ 結局、うまくいっても →インフレ
○○ うまくいかなければ→デフレ→インフレ

か。

どうやら初夢のなかの時計は金融・経済危機のなかで壊れたもののようだ。危機のときにしか正確ではない。安定した経済の時を刻む時計が必要だ。今年はそれを購入したいものだ。

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