2009年2月2日月曜日

風船と針

米国では、かつてのITバブルのときはテクノロジー関連株式、ITバブルが崩壊したら不動産にラッシュ、そこが変調をきたすと昨年夏のようにコモディティへ、余ったカネは行き場を探すものだが、この危機のなかでは、カネ(を持つ者)は欲張りだが臆病なので、安全で流動性の高い、短期の財務省手形、中期の財務省債券や証券に姿を変えている。財務省の証券類は買い手がひきもきらないということだ。利回りがきわめて低いことがそれを示している。

これは政府には、とりわけ巨額の借金をしようとしている政府にはこたえられないことだ。なぜなら「政府当局者自身が銀行組織を通じて名ばかりの利子率で無制限に借り入れることができる」(ケインズ)状況だからだ。公債がバブル状況を示してくれることは政府には好都合。ましてやオバマ政権は銀行救済で経済刺激策にくわえてさらに2兆ドルは必要だろうといわれている。

まことに、米国という家庭はカネがかかる家だ。国民を家族に喩えれば、家族である消費者は借金まみれで、家計債務の対GDP比率はほぼ100%。加えて政府という家全体の債務が、経済対策でぐんぐん上昇していき、5割を超えるのではという予測もある。つまり家族は借金まみれで、支出しろといっても無理。代わりに家族を代表する政府が支出して経済回復というわけだが、こんどは政府の借金が増える。

いうまでもなく、国は施策の実施にともなうカネをまかなうために税金を集める。使うカネが税収を超えてしまえば、借金するしかない。政府借用証書である債券を売ってドルを手当するよう財務省に命ずるわけだ。

しかし、カネは臆病だ。米国に向ける視線は、いつかこの公債バブルは破裂するのではないかと踏んでいる。問題はそれがいつかである。このところそれを囃す向きも増えてきた。とくにオバマの経済政策が経済立て直しに効果がないと予測する人ほどそうだ。銀行の救済もうまくいかん、信用も崩壊状態のまま好転しないとなれば、次々政府は対策を迫られる。それは公的債務を肥大化させ続けるからだ。

オバマの経済政策が財務省証券のバブルという膨らんだ風船を破裂させる針になるのではという懸念がアタマをもたげてきているか、本日は一仕事終わったら詳しく調べてみよう。

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