2009年2月12日木曜日

誰のためのどのような回復か

米国の経済安定化策は市場に失望をもたらしたようだ。細部が不明確だし、期待に応えるものではなかったのだろう。

さっそく数々、批評がでるなか、マイケル・ハドソンの評論、「地獄からの回復プラン、ウォールストリートが望むもの」を最初に読む。

誰のための、どのような回復プログラムなのかという視点は重要だし、明快に見える。そして経済が過剰な債務状態に陥り、資産や所得の格差が拡大しすぎた経済状態では、バブルよ、もう一度というわけにはいかないのは、明白。これを読んで、改めて格差是正といわば債務奴隷制ともいうべき経済状態の打破こそテーマにされるべきと思う。

回復プログラムについて最初に問われるべきは「誰のための回復か」だ。答えは回復プログラムを設計した人々とその支持者、銀行の圧力団体のためだということだ。次に問われるべきは彼らが望む回復とはなんなのかということだ。答えはもう一つのバブル経済で、グリーンスパン・バブルが彼らの特別な「富のひねりだし」を使って彼らをとてもリッチにしたのは見てきたところだ。つまり、銀行システムに対する「実体」経済の広範な債務状態の形での富だ。そして資産価格インフレの波に乗ることで先例のないキャピタルゲインが作り出されたのだ。

金融エリートにとって、問題なのは今日の債務レベルやはびこってしまったネガティブな資産評価、いまだ高水準の不動産や株式、債券の価格から別のバブルを膨らませることは不可能ということである。銀行システムに向けた新規の融資や資本がどのような額でも、すでに過剰に抵当に入れられた不動産やすでに過剰な債務状態にある個人や企業に対して信用供与するよう銀行を促すことはないのである。多くのプロの観察者は少なくとも翌年まで不動産価格は停滞を続けると予測している・・・

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「私たちはあなた方の痛みを感じる」と債務者たちに言っているとき、彼らは過去10年が銀行システムとウォールストリートにとって黄金時代であったことも認識している。人口のうち最も豊かな1%の人たちが、配当や金利や地代、キャピタルゲインのような富の報酬を我がものにしてきた。10年前の富の総額の37%から5年前は57%、そしてこんにちでは70%と見積もられているのだ。富の報酬の3分の2以上がいま、人口の1%の最富裕層に行っている。私たちはいまロシアの泥棒政治のレベルに近づいている。

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米国経済には債務の重圧がのしかかり続けるだろう。

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