2009年2月13日金曜日

債務デフレ、リフレ策

このところ週末、時間ができるとアーヴィング・フィツシャーの書物を手にとっている。危機の時には必ず呼び戻されるのがフィツシャーだから。

ネットでもいろいろ議論が出てきている。

The EconomistのOut of Keynes's shadow

そのなかで次の一文に目がとまる。
今日、米国の債務は金融機関や連邦政府のそれを除いて、GDPのおよそ190%・・・。当時と現在とでは重要な相違がある。債務は大恐慌の開始時、GDPの164%でより低かった。住宅ローン債務は住宅の価値に対して相対的に控えめだったし、価格は顕著に上昇しはしなかった。それは1929年から1933年の間に24%下落した。・・・おおまかにいって実質でみてフラットだった。債務の負担が打撃を受けたのはデフレと産出高の縮小のためである。1929年から1933年の間に名目GDPは46%下落したのである。

今日、債務負担は大部分が近年の多額の借り入れのために高い。これは実質金利の減少、低インフレ、資産価格上昇、さほどリセッションがなかったこと、危険が少ないとしてレバレッジをしたことなどなどの論理的な帰結として始まった。しかし拡大するレバレッジはいつかは安易な融資を生むし、住宅を過大評価する。
米国の人々は債務ではち切れんばかりの状態であろう。

住宅価格が上がっていれば、資産である住宅の評価額が上がり、持ち分であるエクイティーはポジティブで、その分を当てにさらに借金をすることができた。

それがいまは、住宅は下がり続けて底が見えない状態。

住宅の評価が下がれば、その分持ち分も減少する。ネガティブエクイティーである。当然収入のうち返済に充てる分が優先され、支出は減る。景気は回復するどころか、悪化しよう。デフレ状況に突入していくようなことになれば、債務の実質金利は上昇し、負担はいや増す。デフレはカネを握る者に味方するし、債権者に褒美がでるようなもの。インフレが債務者の債務を軽減するのと反対のことが起きるわけだ。

今回の危機は大恐慌と比べられるわけだが、債務の大きさに注目すると、デフレを進行させるようなことがあった場合、回復にかかる期間は大恐慌より長くなるのかもしれないと思ってしまう。

そんな懸念のなか、Enrique G. Mendoza のHire Irving Fisher!もフィツシャーを取り上げているが、フィツシャーのリフレーションの政策は顧みるべきと思わせてくれる議論である。

フィツシャーの債務デフレ論はネットでたやすく参照できるので実にありがたい。



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