2009年5月17日日曜日

1936年の心配

休日、遅く起きた朝、関東圏は雨。ネットで新聞を読む。

ニューヨーク・タイムズに元連銀副議長のAlan Blinderが「この列車を止めるべきではない」と書いている。大恐慌期は1933年と1936年に底を打っている。つまり33年に奈落の底をみて、大統領に就任したルーズベルトが積極的な赤字支出をして経済は上向き始める。「GDPは1933年の底から・・・平均してほぼ年率11%と驚異的に上昇した」わけだ。そうしてルーズベルトは1936年に積極的な財政から、連邦政府の赤字を整理しようとして突然回れ右をする。増税とスペンディングの削減であった。これが再び経済を急降下させる。

以前、チャートを見せながら、大恐慌というのはおおげさで、30年代は33年と36年に景気後退期を経験した循環的事例を示すにすぎないというかなり強気なリポートを読んだことがあるが、それはこのルーズベルトの政策上の回れ右を押し隠し、軽視したものだった。

他方で、赤字支出には国家財政への懸念やインフレの脅威を主張する向きがいつの時代にもいる。現在も同様の光景をみる。その主張は、経済の回復のために財政出動を歓迎する声と同様、政治的支持を得て、政治を二分するものだ。その二極の間で政治は揺れる。

Alan Blinderは、連邦政府によるスペンディングという動き出している列車を止めるなと主張するわけだ。それを1936年の懸念として議論している。共和党系の財政赤字を喧伝する議論への反論を意図しているようにみえるし、いかにもニューヨーク・タイムスが載せたい議論だろう(^_^)

遠目が利くのか、ようやく1933年の底に比べられるべき時期を人が囃しはじめたとき、その先を心配し、間違った政策選択をするなといっている。いま支出を抑制するような議論を採用してしまえば、階段をはい上がってきた者を再びけ落とすことになるとも言っている。

しかし景気循環に対応する反ー景気循環的な支出による財政赤字は、どこの国でも財政赤字を生む構造的な赤字の上に積み上がっている。財政赤字への対応は33年と36年の事例を呼び起こすだろうが、政策論争次元が反ー景気循環的議論の是非に止まるわけにはいかないだろう。経済の議論は遠くを見ているように見えながら常に目先の近場に視線があることがわかる。

まだまだ、どうやら1933年に私たちはいるらしいと大方が信じ始めた現在ではある。米民主党への応援歌を聴いた感じの記事であった。

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