2009年9月15日火曜日

ふと

ちょっとした変化や偶然が急にくることを「ふとした」という。なにかを思いつくこともあるし、それこそフト気づかされることがよくある。

この「ふと」に、江戸期の人情本の作者、為永春水は『春色辰巳園(しゅんしょくたつみのその)』で、「風与」という漢字を当てている。まさに風が与えるというのがフトなのである。

実によいセンスだと感心せざるをえない。変化は風が与えるものだから。

変化が起こったときは風が吹いたともいう。

なにか変化をもたらしたいときは、風を起こさねばともいう。

ふとして何かに気づかされるときも、きっと風が吹いていてなにかを与えてくれたに違いないのだ。誰かのフトがその人の決意と行動を導いて、別の誰かのフトになる。風与が風与を呼んで風が吹いてゆく。そうやって世の中の変化がくるのだろう。フトがあちこちに満ちるとすばらしいのかもしれない。

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