2009年2月28日土曜日

年率

経済の数字というと、年率で公表されることが多い。

○ 年率?

私がいま、例えば高速道路で、時速50キロで自動車を運転している。私の向かう先が50キロ先にあるとすれば、1時間でそこにつく。しかしつくかどうか、それはどうでもよい。このように計算して示しているのは自動車のスピードメーター。この状態で1時間ずうっと運転し続ければ、50キロ先の目的地に着くというにすぎない。

時速何キロというのは、相対的なスピードを語るのに使われるようだ。同じ事が経済の数字にも存在する。

どれだけ経済が成長するか比較するときの、ふつうの仕方は年率のかたちで経済活動における変化を測ろうとするものだ。

例えば、自動車の販売高は、先月、年率で1000万台売れたと政府が発表したとしよう。このことは、当然のことながら、先月、1000万台の自動車が売れたということを意味してはいない。

先月のペースで、12か月間の、それも各月に、販売が維持され続ければ、どれほど売れるかということを指しているにすぎない。

なんでこんな示し方をするのか、けしからん、とお思いですか?

理由は単純。専門家が、年間を基準に経済のパフォーマンスを見るのが簡単にできるから。

そういわれてみれば、数字を年率でみるというやり方は難しくない。

月の数字を年間に変えたければ、12を掛るだけ。

二か月間のデータがあれば、そうそう、6倍する。

GDPなんかが発表されるときは四半期毎、そういう場合は、三か月間のデータを4倍する。

だから年率で、経済の数字が示されたら、そのペースが12か月間フルに維持されたら起こることを、その数字が示していると考えればよいわけ。高速道路の自動車の運転と変わらないわけだ。

ばかばかしくも簡単な話ではあった。

年率

経済の数字というと、年率で公表されることが多い。

○ 年率?

私がいま、例えば高速道路で、時速50キロで自動車を運転している。私の向かう先が50キロ先にあるとすれば、1時間でそこにつく。しかしつくかどうか、それはどうでもよい。このように計算して示しているのは自動車のスピードメーター。この状態で1時間ずうっと運転し続ければ、50キロ先の目的地に着くというにすぎない。

時速何キロというのは、相対的なスピードを語るのに使われるようだ。同じ事が経済の数字にも存在する。

どれだけ経済が成長するか比較するときの、ふつうの仕方は年率のかたちで経済活動における変化を測ろうとするものだ。

例えば、自動車の販売高は、先月、年率で1000万台売れたと政府が発表したとしよう。このことは、当然のことながら、先月、1000万台の自動車が売れたということを意味してはいない。

先月のペースで、12か月間の、それも各月に、販売が維持され続ければ、どれほど売れるかということを指しているにすぎない。

なんでこんな示し方をするのか、けしからん、とお思いですか?

理由は単純。専門家が、年間を基準に経済のパフォーマンスを見るのが簡単にできるから。

そういわれてみれば、数字を年率でみるというやり方は難しくない。

月の数字を年間に変えたければ、12を掛るだけ。

二か月間のデータがあれば、そうそう、6倍する。

GDPなんかが発表されるときは四半期毎、そういう場合は、三か月間のデータを4倍する。

だから年率で、経済の数字が示されたら、そのペースが12か月間フルに維持されたら起こることを、その数字が示していると考えればよいわけ。高速道路の自動車の運転と変わらないわけだ。

ばかばかしくも簡単な話ではあった。

2009年2月23日月曜日

貨幣化

貨幣化

債務の貨幣化

消費者チケット

中国がショッピングバウチャーを給付するとのニュースはちょっと前にもあったが、アジアタイムスも取り上げたか。

ミルトン・フリードマンは、危機の時は政府はどんなアイデアでも採用するといったそうだが、そういう時期だということは間違いがない。

2009年2月21日土曜日

消費

なるほど。
世界中の経済が消費者次第である。彼がこれまでの消費を止め、必要としない物をもたないなら、我々はもうだめだ。(ビル・ボンネルー)

2009年2月20日金曜日

ギャンブル

衣食住という。

生活に欠かせぬものだ。

好況であれ不況であれ、どのような社会的災厄が起ころうとも、人の生活は止むことはなく、生活は続く。そこに必需のものがある。それを賭け事に使ってはならないというアタリマエのことを思う。

しかし今回の危機の引き金となった米国の住宅バブルに世界中が依存してきた。住宅価格の上昇による持ち分の増加という労せずして得た富を当て込んだ借り入れ、そして過大な消費。市場が崩壊すれば差押えの山。米国は救済策を発表したが、それが「公正か」を巡って意見はさまざま。

しかし基本を確認すれば、生存に必需のモノをギャンブルで賭けさせた投機を不可欠とする金融経済化の流れを見ざるをえないか。

米国にも自分たちの番が回ってきたことを自覚するよい一文に出会う
私たちの資本家体制を殺害したものは人間の基本的欲求を投機に基づく経済システムに取り入れたことです。人間の基本的な必需品を使ったギャンブルを増殖させる経済を組み立てるなら、必然的に、つまるところは生きるために必需品に頼っている人々の生活を賭けることになってしまいます。私たちの社会は、国境を越えてアジアやアフリカで何百年間もこうしたゲームを演じてきたのです。そしていま、増殖できずにそのシステムが死んだのですから、私たちの番なのです。
経済社会を巡る価値観が大きく変わらざるをえない節目にあることを確認しなければ、今回の危機に遭遇している意味がないと思う。そうでなければ、経済が回復しても、また同じ事を繰り返す。

泥沼

アフガニスタン、米国の次の泥沼か?

う〜ん。どうなって行くのか。

まだこれから

最悪なのはまだこれから。米国人の生活水準の恒久的変化」か・・・

たしかに下記の数字は大きい。

○ 下落する住宅価格から、マイナスの資産効果8兆ドル
○ 弱体化した株式市場から、マイナスの資産効果10兆ドル
○ 消費者債務、14兆ドル

米国に依存してきた世界も変わらざるをえないのだろう。

信用危機解説アニメ

The short & simple story of the credit crisis を見る。

わかりやすい。

2009年2月19日木曜日

歴史の教訓

オバマ大統領はどうやらアフガンにいっそう深入りするようだ。

この経済危機のなか、彼をルーズベルトに二重写しにする人も多い。そのニューディールの政策について評価はさまざま。しかし普通の人間にとって、その時代を思い起こすことは、なんだかある嫌な予感がするのも事実だろう。それは戦争、戦時経済であり、戦時ケインズ主義の時代でもある。先行きはわからない。しかし現在の経済危機が思い起こさせる時代が時代なのである。

そんな気持ちでいるところで、ちょうどル・モンドにあるジャン・フランソワ・クブラのブログを読む。「危機からの脱出:歴史の教訓」。

エコノミストたちの議論から少し離れて考え込まされる。もちろん上記サイトには当時のデータを示すグラフがいくつもあるので一見の価値ありだが。

いま二つの考えが繰り返し語られる。一つは1930年代にルーズベルト大統領の政策が失敗し、加えて、1940年代初期に米国の経済機構を再び活発化させたのは戦争であること。もう一つはそこから出てくるようにみえるが、今日、危機と取り組むために公的債務の穴を掘る政府が国家を解くことができない罠のなかに閉じこめることだ。

巨額の公的な借り入れが貯蓄の市場で民間投資を奪っていくことさえ読み取ることができる。企業が実際に投資を削減するスピードをみるとき、その議論は気がきいている。しかし実際には、信用が貸し手や借り手の不足で後退していくものかどうか人は自問するものだ。

だが、1929年の危機とそこからの脱出に戻ろう。フランクリン・D・ルーズベルトがホワイトハウスに入った1933年2月、危機は最悪期にあった。前任者、ハーバート・フーバーの政策は危機を悪化させるだけだった。GDPは1929年の4分の1を減少させた。4分の1の賃金労働者が失業していた。新たな政策の実行には数ヶ月を要した。しかし1934年以降、GDPのボリュームは10.8%反騰し、1936年にはGDPの伸びは13%であった。就業者数は危機以前の水準を回復したのである。公的な仕事を倍増したということはどうあってもそこには認められない。

1933年から1941年にかけて、つまり米国が戦争に突入する以前、41年の12月に介入したわけだが、公共支出は2.6倍、公的な仕事は90%増加した。GDPは倍増し、就業者数は40%増加した。失業率は25%近くから10%以下に戻った。そして問題は失業者を保障することになった。

しかし明らかに戦争経済はこの動きを速めた。1942年と1943年、成長率は16%を超えたのである。1930年代にケインズの勧告に抵抗したルーズベルトは赤字と公的債務を放置した。戦争に次ぐ戦争で、1942年から1945年に赤字は爆発する。

さて、国家の需要によって回復するのでなければ、いったいなにが問題にするに足りるのか。米国政府が巨額の発注をした戦車や軍艦、武器、軍用品は投資ではない。それらは軍用の消費財である。そうしてもし米国の産業がこうした戦争のための生産に投資するなら、それは雇用を維持するためでもなく、ニコラ・サルコジが言ったように「彼らが入り込んだ強烈な危機から抜け出る」ためでもない。需要の確実さに疑いがないからである。

バラク・オバマの回復プランはその巨額さによって、いまニューディールという強力な手段、戦争経済という切り札に向かっている。なぜいま市民の欲求を満たすことが、かつての戦場への調達以上にうまく成功しないのだろうか。

2009年2月18日水曜日

疑問

まあ、もっともな疑問。

これから2年間にわたって発行される2.7兆ドルから4.2兆ドルと予想される米長期国債をだれが購入するんだろうか、と。

中国の疑念を伝える、Telegraph

バランスシートデフレ

私たちがバブル崩壊後にみてきた事実、それは多額の借り入れをして購入した資産の価格が崩壊し、一方に不良化した資産を抱え、他方に多額の債務を計上している状態では、支出や借り入れは低下する一方で、利益が上がっても借金返済が優先され、いつまで経っても経済が停滞からぬけだせない状況であった。こうした現実は多額の債務の重圧に苦しむ米国の今日の状況でもあろう。

FTの記事、「バランスシートデフレ世界への日本の教訓」でリチャード・クー氏の議論が取り上げられていた。興味深く読む。

下記に一部抜粋。米国の民間債務の状況を示すグラフが上記サイトにあり。必見。

第一に、現在と1980年代初期の深刻な景気後退とを比較すると完全に方向を間違える。1981年、米国の民間債務はGDPの123%であった。2008年の第三四半期には、290%である。1981年家計の債務はGDPの48%、2007年にはGDPの100%である。1980年、連銀の介入金利は19〜20%、今日ゼロ近傍である。

金利が1980年代初期に下落したとき、借り入れが拡大した。いま借り入れの動きに火を付けるチャンスはゼロに近い。中銀がインフレ押さえ込みを意図して景気後退を引き起こすことは債務超過と純資産の崩壊で引き起こされることとはまったく異なっている。前の事例では、中銀は景気後退を引き起こし、後者の場合は、それを懸命に防ごうとしている。

第二に、日本政府の財政拡大が失敗したと議論する人々は、再び間違いを犯した。民間部門が多年にわたり債務返済を試みるとき、国には三つの選択肢がある。政府に借り入れさせる、純輸出を拡大する、大量倒産の下方スパイラルへと経済を崩壊させる、いずれかである。

GDPの三倍の富の損失、企業部門の財務バランスにおける赤字から余剰へのGDPの20%のシフトにもかかわらず、日本は不況に苦しまなかった。これは勝利だった。巨額の財政赤字がその説明である。1997年に、橋本政権が財政赤字削減を試みたとき、経済は瓦解し、財政赤字は上昇した。

第三に、損失を認識し、金融システムに資本増強することは、クー氏が議論するように、たとえ借り入れる意思がないのがことさら重大であっても、きわめて大事である。日本は10年近く、ゾンビ銀行を受け入れた。その意味するところは政治的にらみ合いである。銀行家に対する公衆の敵意は政府資金の大規模な注入を不可能にしたし、銀行家の力は支払い能力のない金融機関を国有化することを不可能にしたのである。長年、人々は問題が資産価格が下がりすぎていることにあるとしておいた。結局、金融崩壊が日本政府の手を縛ってしまった。同じことが昨年秋の米国においても真実であるが、システムの完全なリストラと資本増強の機会は失われたのである。

米国では、金融部門の状態は日本でそうであった以上にはるかに重要であるかもしれない。巨額な米国の債務の蓄積は非金融企業によるのでなく、家計と金融部門によるものである。金融部門の総債務は1981年のGDPの22%から2008年の第三四半期に117%へと上昇した。その間、非金融企業の債務はGDPの53%から76%に上昇しただけである。したがって、バランスシートを縮めたい金融機関の願望は米国における景気後退のいっそう大きな原因であるかもしれない。

日本の経験全体はどれくらい今日と関連をもっているだろうか。

よいニュースは資産価格バブル自体は日本より米国のほうがはるかに小さかったということである。さらに、米国の中銀は現状を認識することで迅速であった。ゼロ近傍にまですばやく金利を引き下げ、「異例の」金融政策に動いたのである。

悪いニュースは、米国における財政政策を巡る議論が日本における以上にネアンデルタールにみえるということである。バランスシート不況のなかで、ゼロ金利を伴う財政政策が我々が持つすべてであるとあまりに強調できるというわけではない。危険は、早々と財政赤字を終えてしまう試みがなされるであろうことにある。それは恐ろしい結果を伴う。くわえて、問題資産購入の政府と民間のパートナーシップのための米国政権の提案は希望がないように見える。それが実際に実行に移されえたにしても、その価格が銀行に売却を促すには低すぎるか、売り手や買い手、あるいは双方に対する納税者の多額の補助金を意味しそうである。はるかに重要なことは、ある範囲の不良資産の価格を控えめに上げることでダメージを受けた金融機関に資本を増強することはありそうもないということだ。最終的には現実はできあがるだろうが、しかしそれは長期にわたる見せかけの後かもしれない。

グッドバンクあるいは新銀行何々

先月、ブイターがグッドバンクを提案していた。これをベースラインシナリオのサイトで取り上げている。銀行救済には賛否さまざまだが、世の中に銀行業が不要というわけではない。ではどのような対策になるかというと、限られている。国有化、そして健全化してから再民営化、あるいは資本注入、不良にして有毒な資産の切り離しなど・・・いずれにしても政府はカネがかかる。

どうせそうしたカネがかかるならその資金で、新規に銀行を作り、銀行業の再生をはかったらどうだという考えも当然出てこよう。

しかしここでも、日本が反面教師にならねばならぬのか、世の中は善人ばかりではない。新銀行ワシントンができるとして、新銀行東京のような顛末にならないともかぎらん。

2009年2月17日火曜日

消費クーポン

中国もいよいよショッピングバウチャーを手がけるか・・・

非難されるべきは

金融危機、非難されるべき25人をTIME誌が選んで、誰がいちばん非難されるべきかの投票結果を見せてくださっている。

興味深く見た。

G・W・ブッシュさんやグリーンスパン元議長、ハンク・ポールソン、果ては米国の消費者まで出てくるが、一位は、フィル・グラム。Foreclosure Philといわれるくらいだから、人々の怨嗟の的だろう。それに、90年代は上院の銀行委員会の議長として反規制の急先鋒であったわけだし。

カラになる町

米国の住宅ローン残高は3兆ドル。これだけの規模の債務が修復されるのを待っている。米国政府は金融安定化法で住宅市場救済に当てる資金を500億ドルから1000億ドル支出したいようだが、返済負担を軽減したり、金利を減免したりと返済条件を変更すれば、今度は住宅ローン流通市場のほうが機能を損なわれる心配も出てくる。

景気が持ち直していくためには住宅市場の回復が重要だが、いったいどういう具体策がとられていくのか関心がもたれる。

しかしそうこうしているうちにも、住宅価格の値下がりは止まらず、昨年10〜12月期は、前年同期比では価格中央値が12%も下落している。深刻化するばかりの住宅不況のなか、空き室率が高くからっぽの町をForbesが伝えている。

ひどいものだ、いま、物事は凍り付いている。誰もがパニックだ。


戦後最大の危機

昨年10〜12月期のGDPが前期比年率換算で12.7%も落ち込み、悪い悪いといわれてきたユーロ圏の5.7%減に比べても際だっている。

外国でどう扱われているか、アルジャジーラをまず見てみた。

「日本、数十年で最速のスランプ」とあるなあ。こんなことばがおどってる。

米国の経済危機が日本に深刻な影響をあたえているグローバルな不況の引き金となった。

与謝野は日本が第二次大戦以来最悪の経済危機に直面していると語った。

日本はグローバルな製品需要の落ち込み、前例のない輸出の停滞で厳しい打撃を受けている・・・
アイスランドや英国をみていると金融立国は危ない、日本をみてみれば過度に輸出に依存した経済ももろいということになるか。つとに指摘されてきたところだ。反省しないでここまできたということだろう。

2009年2月16日月曜日

希望のなさ

就寝前に少しネットをみる。Boise Weeklyの記事に目がとまる。

オバマがブッシュより恐ろしいわけ

経済対策への失望を述べているところは、大方の失望感と共通しているかなと感じる。楽観論があるいっぽう、悲観論も目立つ・・・
・・・ポール・クルーグマンの計算では、少なくとも生産能力と消費者の財の購買力との間の「産出ギャップ」、経済にあいた穴が2.1兆ドルある。この穴を埋めるには少なくとも1.5兆ドルの(オバマの公共事業提案のような)直接投資が必要とされるだろう。しかしオバマのプランは3550億ドルしかなく、そのうち1360億ドルが二年間で支出されるだけだろう。それはないよりはましだが、多くはない。オバマは傷口の10分の1のサイズのバンドエイドで血のほとばしる動脈をふさごうとしている。

オバマのアプローチが作用しないだろうと予想するのは不作法ではあるけれど、オバマ自身でさえ作用しないだろうと認めている。彼は2011年までに400万の新規雇用を作り出すと約束する。しかし私たちは5か月ごとに400万の仕事を失っている。オバマが約束を果たしても2500万人の米国人が2011年までに仕事を失うだろう(計算上の違いは人口の伸びが毎年280万人まで労働人口を増やすという事実による)。こうした失業者数から、誰も私たちが本当の恐慌のなかにいることを疑わないだろう。・・・


ユーロゾーン

08年第四四半期、前期比の落ち込みが深刻。

Euro zone economy contracts further



パパ教えて090216

こども:ねえ、パパ、隣のおじさんがね、怖い話をしておどかすんだよ。

パパ:えっ、なんて言ってんの。

こども:あのね、いま景気が悪いでしょ。収入も減っているし、仕事がなくなった人もいるし、住宅ローンとか借金も多くて返さなきゃいけないし、オトナは大変なんだ、それでみんな用心してお金をつかわないから、モノやサービスが売れなくて、景気が悪くなる、悪くなるとね、収入が減ったり、仕事をなくす人がもっと増えるし、そうなれば、人々はサイフのひもをもっと締めるし、もうぐるぐる回りで不景気がひどくなるばかり、なんだって。それで、みんながお金を使わないなら代わりに政府がお金を支出して経済が元気になるようにしようとしているって。

パパ:そうだよね。物事が反対のほうに回っていくようにしなくちゃね。

こども:でもね、政府はお金がないっていうんだ。政府の収入は国民が払う税金。でもそれじゃあ足りないくらい使わないと経済を回復させられないんだって。そうすると、政府は借金をしてお金を使うんだ、って。

パパ:足りないなら仕方ないかもね。

こども:それが困るんだって。おじさんはね、借金は返さなきゃなんないだろ、いまの人間が借りて、将来の人間が返すんだ、借りて使うのは今の人間、自分たちが使ってないお金を返すのは将来の人間、つまりおじさんのようなおとなが、君のような将来おとなになる人の未来のお小遣いを取って使ってしまうってことなんだ。おとながこどもからお金をくすねるようなもんだって。

パパ:それは困るよね。将来のことでも、こどもの意見も聞かずに小遣いをとっちゃうのは。

こども:怒るよね。減らされるのイヤだし。ほんとにそんなことになっちゃうの。

パパ:う〜ん。物事は順を追って考えてみるといいよ。例えばね、政府はいますぐお金を使いたいわけだ。

こども:うん。

パパ:そのお金は、すぐに税金を引き上げるわけにはいかないし、政府だからみんなが使っているお金を印刷して作っちゃうっていう手もあるけど、そうするとモノの値段があがるインフレになるっていって反対する人もいるし、それで、借りてくるしかないんだ。

こども:政府はどうやって借金するの?

パパ:政府債券っていう借金の証書を作るのさ。その紙にはいくらいくら借りましたということと、利子はいくらいくらって書いてある。例えば、10000ドルだとすると、10000ドルプラス利子。これを買ってもらって、10000ドル手に入れる。

こども:誰がそれを買うの?

パパ:政府にお金を貸せる人たちだよね。利子が付く分、儲かるから政府の借用証書を手に入れる。銀行とかが買うんだよね。そこから、国民のなかのお金が余っている人や外国のお金持ちも買ったりする。

こども:そうやって借りたお金を政府は、みんなが使う橋とか道路とか、かんきょー投資とかのために使うわけね。

パパ:そうそう。そこで使われたお金は給料とかのかたちで仕事をしたひとたちのポケットにいくわけさ。国民に仕事ができるし、給料が入ってくる。

こども:ああ、よかった。貸した人もおとな、そのお金が戻ってくるのもおとな。世の中のお金を政府が間に入って上手に回してくれているんだ。

パパ:そうだよ。政府の借用証書はお金を返さなきゃいけない期間がいろいろなんだけど、長いものでは30年物という証書なんてのもあるんだ。

こども:30年経ったらぼくもおとなだよね。

パパ:パパはおじいさんか・・・その前にパパが死んじゃったらそれはお前のものになるかな。返済の期日が来たら政府はお前に返してくれる。

こども:遠い未来の話じゃないんだね。

パパ:でもね、気をつけなくちゃいけないことがあるんだ。貸した人は利子を手に入れるんだから、借りた人は利子を負担しなきゃいけないね。借りたのは政府だから利子を払わなきゃいけない。政府の収入源は税金だよね。利子も加えて政府は使ったお金以上を税金から返さなきゃなんない。その税金は誰が負担するの?

こども:国民。

パパ:では、お金の使用料である利子は誰のポケットにはいるの?国民全員が政府に貸しているわけじゃあないよね。

こども:お金持ち。

パパ:そうだよね。お金持ちのポケットにもっとお金が入る。外国の人が貸してくれている場合は、みんなが負担したみんなのお金の一部が外国に行ってしまう。

こども:その分だけ、みんなが貧しくなるわけね。

パパ:それに実はもっと困ることがあるんだ。

こども:なに?

パパ:政府はたとえば30年経って、返すお金があるんだろうかってこと。結局おとなになったお前や歳を取ったパパなどの国民が返すわけだけど、おそらく税金を上げなくちゃ返せないよね。

こども:税金が高くなるのはイヤだよね、きっと。

パパ:そうさ。そうなると返せない。

こども:え〜っ、そうなるとどうなるの。

パパ:どこの国でもしていることだけど、返すときになったら、借り換えて返すってやり方がある。

こども:アタマがいいね。

パパ:でも、アタマがいい人ほどつまずくもんなんだ、世の中は。

こども:そうか、借り換えた借金にも当然利子が付くんだもんね。

パパ:利子がかさんでどんどん大きくなる。

こども:それでわかった。となりのおじさんが脅かしていたわけが。借り換えを繰り返していくしかなくなるよね。それは、30年がまた30年に、って具合に未来へどんどん先送りされてにっちもさっちもいかなくなるんだね。ほんとうに未来のこどもたちから盗むことになっちゃう。

パパ:おじさんはそれを心配していたんだね。

こども:でも他にやり方がないの?

パパ:あるさ。借り換えはロール・オーバーというだろ。オーバーだから先に広げて行っちゃうイメージ。一つの世代のなかで、ロール・バックする方法ですれば、いいと思わないかい。

こども:パパそれを教えて。隣のおじさんに教えてやるんだ。

パパ:今度ね。お仕事から帰ってきたら。

2009年2月15日日曜日

瀬戸際

米銀、破産の瀬戸際か・・・

Large U.S. banks on brink of insolvency, experts say


購買力外部注入

休日。昨日は千葉の地域通貨ピーナッツの10周年記念の集まりで、久しぶりに懐かしい方々とお会いする。友情が訪れ、集う場に身を置くのは気持ちの良いものだ。その明るさはなににも代え難い。ピーナッツはほどなく会員数が2000人に達するとのこと。金融経済危機の状況となり、ますますその意義が注目されるだろうという声があった。

それにしても千葉は遠く、往復するのに疲れたので、本日は休養。といってもPCを前に作業に変わりはないか。

定額給付金もそうだが、こうした経済状況になると、人はカネを使わないし、購買力を外部注入しなくちゃならんという話になる。そういう時期は、ふつうなら無視されている「風変わりな異説」に関心が及ぶもの。購買力の外部注入といえば、戦前のカナダ、アルバータ州の首相を努めたウィリアム・エイバーハートだろう。ネットにはどれくらい情報があるか探してみることにした。もちろん、ネットでは限界があるので、大恐慌期のカナダを扱った、Pierre Berton, The Great Depression :1929-1939,1990.を引っ張り出してきた。

彼はCalgary Prophetic Bible Institute の創設者でジェイムズ王訳聖書を信じていたキリスト者であり、熱心に布教に努めていた人。

20年代はラジオ放送が一般化した時代だが、彼は1925年からCFCNという放送局で、Voice of the Prairies(大草原の声とでもいうのかな)を放送、聖書の講義をし始めている。この彼が、社会経済の問題に開眼し、貨幣改革の異端説と反ユダヤ主義で知られるクリホード・ヒュー・ダグラスを知り、ダグラス主義の「社会信用」の運動に熱心に取り組むきっかけになったのは、やはり大恐慌である。

カナダの農村地域に大恐慌が及んできたのは31年から32年を迎える冬頃。ラジオでの講義の生徒である農民から窮状を訴えられた。そしてダグラス主義のアイデアをモーリス・コルボーンの『失業と戦争』を読んで知る。

簡単に言うと(そう言うのは容易ではないが)、ダグラス理論は資本家体制が、人々に彼らの同郷の人々の労働の果実を享受させるに十分な購買力を提供しえないというものであった。人々が受け取る賃金の総額は常に生産コストの総額より少ないであろう。利潤マージンや一般管理費、物流や借り入れ負担などの追加的支出のためである。それで、ダグラスが議論したのは、生産されている財やサービスのすべてを購入するためのマネーがコミュニティに十分に存在しなかったということである。簡単にいえば、社会信用のスローガンを引用すれば、「豊穣のなかの貧困」である。不均衡を正すためにダグラスは政府が追加的な資金ー社会信用ーを支給すべきとし、そうすることでそのシステムが生産した財やサービスを人々が購入しうると説いたのである。

こうバートンが単純化しうるほどダグラスの理論は単純なものではないが、特段的外れでもない。エイバーハート自身、『経済学のダグラスシステム』というパンフレットを書き、成人に毎月、20ドル相当の購買力を証券の形で支給することを提案し、ダグラスの国民配当の考えを実践しようとした。

実際に彼の率いる社会信用党はアルバータ州の実権を握ったので、こうした考えは実践されていった。経済が厳しくなるほどに、こうした取り組みへの関心は高まるだろう。このへんの事情は詳しく紹介すべきだなあと思っている。

2009年2月14日土曜日

慶祝・千葉ピーナッツ10周年

早いものでもう10年。初めて地域通貨のご紹介で西千葉を訪れたのは記憶も薄れる以前のこととなった。

季節は年末であったか、ずいぶん寒く、街は暗い印象だった。たくさんの人達の力が集まり、10周年は千葉で祝うほどになった。

とにかくめでたい。

2009年2月13日金曜日

食べ物

WSJの食糧支出急減のニュース。どこの国でもこの不景気で食費を切り詰めているのだろう。

上記記事は、08年第四四半期の食糧支出が前期比3.7%下落していると報じている。記事中、アルコール類への支出が、-10.9、スィーツが-5.1、肉類-3.4%でたまごや野菜、牛乳への支出が増えているのが興味深かった。

我が日本人の場合は、よろしく一汁一菜か。不景気のときに健康を志すのもいいもの。

債務デフレ、リフレ策

このところ週末、時間ができるとアーヴィング・フィツシャーの書物を手にとっている。危機の時には必ず呼び戻されるのがフィツシャーだから。

ネットでもいろいろ議論が出てきている。

The EconomistのOut of Keynes's shadow

そのなかで次の一文に目がとまる。
今日、米国の債務は金融機関や連邦政府のそれを除いて、GDPのおよそ190%・・・。当時と現在とでは重要な相違がある。債務は大恐慌の開始時、GDPの164%でより低かった。住宅ローン債務は住宅の価値に対して相対的に控えめだったし、価格は顕著に上昇しはしなかった。それは1929年から1933年の間に24%下落した。・・・おおまかにいって実質でみてフラットだった。債務の負担が打撃を受けたのはデフレと産出高の縮小のためである。1929年から1933年の間に名目GDPは46%下落したのである。

今日、債務負担は大部分が近年の多額の借り入れのために高い。これは実質金利の減少、低インフレ、資産価格上昇、さほどリセッションがなかったこと、危険が少ないとしてレバレッジをしたことなどなどの論理的な帰結として始まった。しかし拡大するレバレッジはいつかは安易な融資を生むし、住宅を過大評価する。
米国の人々は債務ではち切れんばかりの状態であろう。

住宅価格が上がっていれば、資産である住宅の評価額が上がり、持ち分であるエクイティーはポジティブで、その分を当てにさらに借金をすることができた。

それがいまは、住宅は下がり続けて底が見えない状態。

住宅の評価が下がれば、その分持ち分も減少する。ネガティブエクイティーである。当然収入のうち返済に充てる分が優先され、支出は減る。景気は回復するどころか、悪化しよう。デフレ状況に突入していくようなことになれば、債務の実質金利は上昇し、負担はいや増す。デフレはカネを握る者に味方するし、債権者に褒美がでるようなもの。インフレが債務者の債務を軽減するのと反対のことが起きるわけだ。

今回の危機は大恐慌と比べられるわけだが、債務の大きさに注目すると、デフレを進行させるようなことがあった場合、回復にかかる期間は大恐慌より長くなるのかもしれないと思ってしまう。

そんな懸念のなか、Enrique G. Mendoza のHire Irving Fisher!もフィツシャーを取り上げているが、フィツシャーのリフレーションの政策は顧みるべきと思わせてくれる議論である。

フィツシャーの債務デフレ論はネットでたやすく参照できるので実にありがたい。



Europe Is in Bigger Trouble than the U.S.

2009年2月12日木曜日

リバタリアン

米国のリバタリアンは欧州のそれとは正反対で右派といってよいですが、多くのミーゼス主義者同様、フリーバンキングの息吹を維持しているようです・・・

ロン・ポールの連邦準備制度理事会廃止法案

連邦準備制度を廃止することで米国経済の金融上の安定を確保するための法律導入を提起します。連邦準備制度の創設以来、米国の中産・勤労階級はブームと破裂の通貨政策の犠牲になってきました。そのうえ、ほとんどの米国人は購買力が刻々と失われることで苦しめられてきました。連邦準備制度のインフレ政策のためです。これは米国民に課せられた、隠されているとはいえ、実質的な税なのです。

私自身はこういう考えとは別遺伝子の人間ですが、楽しませてもらいました。

ロン・ポールという方はユーチューブでみましたが、名物おじさんふうな印象でした。

以前我が国でも、ラジカルキャピタリズムが流行ったときに、こういう傾向の議論をする人はいたように記憶していますが、どうせゼロ金利で金融政策も効かないんだし、日銀はなくしたら、ぐらい言ってくださると、思想状況の彩りが増し、議論が盛り上がるのかもしれません。

それにしても世界各地で思想はねじれていますね。

フランスの国民戦線の関係者のブログを覗くときがありますが、そのエコロジスムと反グローバリズムにも楽しませてもらうことがあります。

debt deflation

誰のためのどのような回復か

米国の経済安定化策は市場に失望をもたらしたようだ。細部が不明確だし、期待に応えるものではなかったのだろう。

さっそく数々、批評がでるなか、マイケル・ハドソンの評論、「地獄からの回復プラン、ウォールストリートが望むもの」を最初に読む。

誰のための、どのような回復プログラムなのかという視点は重要だし、明快に見える。そして経済が過剰な債務状態に陥り、資産や所得の格差が拡大しすぎた経済状態では、バブルよ、もう一度というわけにはいかないのは、明白。これを読んで、改めて格差是正といわば債務奴隷制ともいうべき経済状態の打破こそテーマにされるべきと思う。

回復プログラムについて最初に問われるべきは「誰のための回復か」だ。答えは回復プログラムを設計した人々とその支持者、銀行の圧力団体のためだということだ。次に問われるべきは彼らが望む回復とはなんなのかということだ。答えはもう一つのバブル経済で、グリーンスパン・バブルが彼らの特別な「富のひねりだし」を使って彼らをとてもリッチにしたのは見てきたところだ。つまり、銀行システムに対する「実体」経済の広範な債務状態の形での富だ。そして資産価格インフレの波に乗ることで先例のないキャピタルゲインが作り出されたのだ。

金融エリートにとって、問題なのは今日の債務レベルやはびこってしまったネガティブな資産評価、いまだ高水準の不動産や株式、債券の価格から別のバブルを膨らませることは不可能ということである。銀行システムに向けた新規の融資や資本がどのような額でも、すでに過剰に抵当に入れられた不動産やすでに過剰な債務状態にある個人や企業に対して信用供与するよう銀行を促すことはないのである。多くのプロの観察者は少なくとも翌年まで不動産価格は停滞を続けると予測している・・・

・・・

「私たちはあなた方の痛みを感じる」と債務者たちに言っているとき、彼らは過去10年が銀行システムとウォールストリートにとって黄金時代であったことも認識している。人口のうち最も豊かな1%の人たちが、配当や金利や地代、キャピタルゲインのような富の報酬を我がものにしてきた。10年前の富の総額の37%から5年前は57%、そしてこんにちでは70%と見積もられているのだ。富の報酬の3分の2以上がいま、人口の1%の最富裕層に行っている。私たちはいまロシアの泥棒政治のレベルに近づいている。

・・・
米国経済には債務の重圧がのしかかり続けるだろう。

2009年2月11日水曜日

バッドバンク

どうやら米国の金融安定化策に金融機関のバランスシートから住宅ローン担保証券などの不良資産を切り離すバッドバンク構想が、民間を巻き込んだかたちで盛り込まれるようだ。

不良資産を買ってやるにつき、難題は値付けで、つとに指摘されてきたところだが、高く買えば(米国議会で問題になったように)文句がでる。安く買えば買ったで銀行救済の効果が減じる。まあオバマ大統領は1兆ドルを買い取りに当てるようだが、効果のほどは・・・。

これなんぞは、危機の火付け役、犯人を救済しようというのだから、好評であるわけがない。

ここで、買い取るのは証券だから早い話が紙である。

以前、農本令草案に言及したが、

そこではこれと違った買い取りを、国家への「返納」として提案していた。もちろん当事者は金融業者ではない。農村恐慌に呻吟していた農民である。農地を金融業者にカタにとられ、借金の返済はままならず、そのままでは、取られてしまう。加えて飢饉。農村の惨状たるやすさまじい。

そこで、国家が農地を購入し、その代金で農民は借金を返すという考え。そうして国有になった農地を農民は使い続けることが可能。

しかし、国家に財政的余裕なきゆえ、国家紙幣「労」を発行しこれに充てるという主張。

経済がよほどに厳しくなったとき、農業をはじめとする産業者を金融業者の餌食にさせない国家的枠組みとして、国家紙幣の使い方、アイデアを出した人間も我がジャパンにいたことを忘れないほうがよいと最近思っている次第。応用が利くことだろう。

まあ、多くのひとはそこまで経済が悪くなるとは思っていないし、タカをくくっているかもしれませんが・・・ さて・・

投機家たちに課税

ラルフ・ネーダーのサイト。「投機家たちに課税」。

当然と思う。

なぜあなたは生活必需品を購入するとき5ないし6%の売上税を支払わねばならないのか、ウォールストリートの投機家によっては1億ドルのエクソンのデリバティブズを購入できるが、一ペニーも売上税を支払わない・・

まったくケインズのいうように、

合衆国において投機が企業に比べて優位である状態を緩和するためには、政府がすべての取引に対してかなり重い移転税を課することが、実行可能で最も役に立つ改革となるであろう。

というもの。

中国らしい

中国は米国債保有に保証を要求しているようだ。
ブルームバーグの記事

これくらいしっかりしないと。

どこかのお国もみならったらどうか。こんど来るクリントンにしっかりしかられるだろうが。

2009年2月10日火曜日

自由化

金融危機は、危機を深刻化させた大恐慌時の保護主義と貿易戦争を人々に思い出させる。そうすると誰しも危機から回復するために自由貿易が維持されるべきだとなる。ダボスでもそうだったし、今度のG20でもそう強調されるだろう。

そうして今年の作物の作柄が悪いのが予測される。食料については昨年のように輸出規制に動く食料生産国も出るだろう。それは自由貿易に逆行し経済危機を深刻化させるだけという批判の口実となるだろう。昨年、頓挫したWTOは経済危機からの回復という大義名分を得て推進されることになるだろう。

皮肉なことに、金融危機が世界の自由化を進め、経済の回復がいっそう暗い未来を各国国民経済に押しつけることになるとすれば、もしそれが芝居ならできすぎた芝居といいたくなる人も出てくるだろう。

これまでのこと、これから予想される事態で、誰がいちばん得をするのか、不始末をしでかしたものがいちばんの果実を得るということになりそうだ。ウォールストリートが金融危機の犯人なのにいつの間にか救済対象の被害者に変じているように。

得をするのはいったい誰?

かつて米ドルの地位をうかがうと囃されたユーロにその面影はない。存続するかどうかが問題だとさえいう向きもある。

グローバル化、自由化に根強く反対してきた動きは金融危機によって、自由化の恩恵を再確認するよう誰もが迫られている。時に恐慌になってもいいのかと非難されるかもしれない。

いま、来たメールで TerraViva europe も同じような懸念を抱いているのがわかった。

2009年2月9日月曜日

計算機

仕事の手を休めて、フッと疲れをとろうとするとき、こういう笑い話に触れられるのはとてもよい。また、米国という国の精神的強靱さを感じるといえば大げさか・・・

あなた自身の刺激策をデザインする」。

このサイトではスライダーを動かしてインタラクティブにじぶんなりの経済刺激パッケージをデザインできるようになっている。とてもカンタン。そのさいの説明にはこうある。
有効な景気回復パッケージは経済をすみやかに刺激し、長期の成長の基礎を作るために政府資金を使用するでしょう。

拡大する州政府の穴を埋めたり、フードスタンプに役立てるような一定の行動は経済を速やかに刺激し、仕事を作り出す強力な効果を持っています。インフラ、エネルギー、ヘルスケア、教育への投資はいま仕事を作り出す利点とともに、長年、民間部門が使用できる基盤を築く二つの利点があります。

・・・

減税は、いちばん早くお金を使いそうな働く米国人を狙っていない場合、人々はそのお金を使うよりもむしろ貯蓄するか、借金の支払いに充てるので、公共投資や財政支援よりも弱い刺激効果しかなく、1ドル当たりはるかに少ない仕事しか作り出せません。法人税削減も短期的な刺激策としては相対的に効果がないことが示されてきました。

最も効果的な方法で支出されるべきお金の額は無制限ではありません。例えばフードスタンプを拡大して8500億ドルを使うことはできません。賢いパッケージは投資にほとんど報酬を提供しないオプションを避けるために、さまざまな効果的投資オプションを伴う財政支援とバランスをとります。

この計算機であなた自身の刺激策を設計できます。・・・

有毒報酬

同じく、The Baseline Scenarioが取り上げた「ここにアイデアがある」は愉快だ。銀行のバランスシートから有毒資産を切り離したいなら、それを従業員に報酬で支払えというもの。これならバッドバンクを作り、金融機関の不始末を政府が尻ぬぐいする必要はないか(笑)。

真昼の決闘か・・・

ガイトナー対合衆国の寡頭制」という一文を読む。

ガイトナーは映画「ハイヌーン」でたった一人でギャングに立ち向かった保安官のようだ。ここで寡頭制とは金融寡頭制を指すといってよい。米国を支配するのは明らかに金融部門だからだ。ガイトナーはそこに切り込まなくてはならない。西部劇の国、米国ではある。どうなるか。

上記のThe Baseline Scenarioの見通しは・・・これ↓
持続不可能な債務に駆り立てられた好況は・・・グローバルな金融災害の諸条件とリスクテイクからいちばん利益を得た人々の政治的強化を生み出した。・・・金融危機を終わらせるのは比較的明快だ、資本増強を強い、銀行システムにおける所有ないし経営を変更することだ、これは経済回復には直結しないだろうが。しかし、もっと深い政治上の表現で見ると、大手銀行を再構築する断固たる行動はほとんど不可能。このような行動はおそらく今日の合衆国における単一、最強の利害集団に打ち勝つのを必要とするだろう。

2009年2月8日日曜日

ガイトナーを待ちながら

9日に発表される米国の金融システム安定化策、どんな内容になるのか、金融機関の不良資産による損失肩代わり、住宅ローン借り手支援、バッドバンク構想、金融機関への追加資本注入など、これまで騒がれてきた内容がどうなるのか、注目の的。

まるで「ガイトナーを待ちながら」である。昔、サミュエル・ベケットの「ゴドーを待ちながら」というのがあったが、ゴドーは来なかったが、ガイトナーは必ずどんな内容であれ、安定化策を発表する。9日になれば、わかることだ・・・

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ローカルイニシアティブ

いま読んだ、スイスのZeite-Fragen誌にある「世界経済危機、当時と今」でウルフガング・ブロアーは、ローカルイニシアティブを強調して、30年代ヴェルグルでの経験がいまだ基本的に正当なメッセージであると主張していた。

危機を引き起こした肉食資本主義が人間の自然の一面なら、もう一面は連帯的で人間的なのも人間の自然。危機のなかで、膝に手を置き待つのではなく、なにごとかをなしうる可能性が常にあること、イデオロギーの垣根を越えてともに協力する意思が必要であると。

危機のなか、かつてのようにローカルイニシアティブがもう一度勢いをもつべきか。

Two years recession, or ten years of hell?

In this first segment of the interview, Paul Jay discusses how the global economic crisis will impact Europe with author and political economist William Engdahl. Engdahl says Italy is experiencing the worst economic crisis it has seen in 30 years, and the British economy is “falling off a cliff.” He says the European situation is “differentiated,” that “it’s a little bit different from what’s going on in North America, especially in the United States.” In Europe, he explains, “it is more an indirect knock-on effect of the United States financial meltdown.” He says the question now is whether the European Union is going to try and decouple its dependency on the US dollar and begin to form regional currency blocks like many nations around the world are starting to do.

Bio

F William Engdahl is an economist and author and the writer of the best selling book "A Century of War: Anglo-American Oil Politics and the New World Order." Mr Engdhahl has written on issues of energy, politics and economics for more than 30 years, beginning with the first oil shock in the early 1970s. Mr. Engdahl contributes regularly to a number of publications including Asia Times Online, Asia, Inc, Japan's Nihon Keizai Shimbun, Foresight magazine; Freitag and ZeitFragen newspapers in Germany and Switzerland respectively. He is based in Germany.


To understand the significance of this moment to the U.S. and European economy, Paul Jay continues this discussion with F. William Engdahl, political economist and author. Putting the conversation in context, Engdahl explains that, “the deindustrialization of America in the 1970s and 1980s was replaced by the growth of Wall Street and the major banks.” He continues in England, the entire industrial economy, with the exception of a few tiny pockets of the defense industry, has really become “a hollowed out wreck. It’s really a service economy now.” As far as the emerging demand by protesters in Europe for the nationalization of banks, Engdahl says, “it’s a very real possibility.”

Bio

F William Engdahl is an economist and author and the writer of the best selling book "A Century of War: Anglo-American Oil Politics and the New World Order." Mr Engdhahl has written on issues of energy, politics and economics for more than 30 years, beginning with the first oil shock in the early 1970s. Mr. Engdahl contributes regularly to a number of publications including Asia Times Online, Asia, Inc, Japan's Nihon Keizai Shimbun, Foresight magazine; Freitag and ZeitFragen newspapers in Germany and Switzerland respectively. He is based in Germany.

2009年2月7日土曜日

円天関連

Japanese businessman arrested over £1.7bn fraud

this report is reminiscent of the collapse of so many other alternative currency chemes, such as the creditos in Argentina, due to fraud or counterfeiting --there is a natural law that when a currency becomes big enough to be worth the etermined
efforts of thieves (or countermeasures by the banksters, or insider fraud, or nobody else) that's what happens,

The Fed contracts

List of Banks Receiving Fund

RAW DATA: List of Banks Receiving Funds From $700B TARP
This list includes all the banks receiving funds from the Treasury's $700B Troubled Assets Relief Program (TARP).

過大な経営者報酬

WSJの「過大な経営者報酬は民主主義にとって悪か」というブログは興味深かった。

1831年に米国を訪れ1840年に『アメリカのデモクラシー』 を著したトクヴィルを取り上げ、そこで、彼が米国とフランスの役人の報酬を比較している数字を紹介し、現代の米国の数字も合わせて載せている。

1830年代のフランスは最低報酬の文書配達人を1とすると王様は8000、米国はメッセンジャー1に対して40。いかに米国が平等な社会かを示している。それが2000年代の米国は最低賃金を1とすると、ゴールドマンサックスのCEOの報酬は5267。

米国民は税金で現代の王様を救済していることになる。上記サイトには一覧表がある。必見。数字は雄弁である。

米1月の失業率

米1月の失業率がBureau of Labor Statisticsから発表された。先月の7.2%から7.6%に上昇している。

2009年2月6日金曜日

Japan’s job-cut tsunami

Japan’s job-cut tsunamiか・・・

すでに報じられて知っていることとはいえ、海外のメディアで報じられているのを見ると、あらためて尋常ならざる事態が進行していると感じる。

投資誘因論の教え

いま経済危機は企業がどこも軒並み赤字決算で、実体経済への深刻な打撃が進行中の第二幕か。

同時に欧米では特に、第一幕での金融危機の犯人があたかも被害者のごとく「救済」処理の最中。これからの先行きをみていくにも、これまでの展開も忘れないようにしておきたいので、昨年、利用しているSNSに書いたことをここに貼り付けておこうかと思った。

・・・

金融経済の暴走、実体経済の悲惨、前者の後者への優位という言い方は私自身するが、それは古典が教えてくれた文脈で解釈している。

ここで古典とはケインズの『一般理論』である。

その投資誘因論を読めば、今般の危機は実に明瞭に把握できるし、必要な対策はなにか、答えがちゃんと出ている。経済に関心がある人間なら若い頃に一度は一般理論を読んでいるだろう。それを思い出すだけでよいのだ。

もちろん、現今の状況にかつてと違うところもある。しかしそれも基本を押さえなければ、理解されようはずがない。

昨今の状況はまことに、投機家が市場利子率で無制限に貨幣を手に入れることができるに違いないという投機家の確信の状態が崩れたことを示している。それを暗黙のうちに想定する投機家はもちろん正しくないとケインズは指摘していた。

そうして確信の状態のもう一つの側面、信用の状態も考慮にいれるべきとしている。

これらふたつのうち、いずれかが、弱体化したとき、株式の暴落が引き起こされるというわけだ。しかし回復には両者が持ち直す必要があると指摘していた。
信用の弱まることは暴落をもたらすのに十分であるけれども、それが弱まることは、回復にとって必要条件ではあるが、十分条件ではない・・
こうした議論をふまえて、次の投資誘因論の第6節が始まるわけである。

そこでは、投機と企業の関連が取り上げられていたわけだ。

投機=金融経済
企業=実体経済

としてみればそこでの議論はわかりやすい。
もし投機という言葉を市場の心理を予測する活動に当て、企業という言葉を資産の全存続期間にわたる予想収益を予測する活動に当てることが許されるなら、投機が企業以上に優位を占めるということは必ずしもつねに事実ではない。しかし、投資市場の組織が改善されるにつれて、投機が優位を占める危険は事実増大する。
情報技術の発展などで投資市場の組織改善は昔日の比ではない。くわえて金融市場はグローバル化してきた。投機が優位を占めるどころではく、カジノ資本主義にまで行き着いた。

企業は「投機の渦巻きのなかの泡沫」となってきた。その状況をいま私たちは見ている。ケインズとともに、資本市場を「新投資を将来収益から見て最も利潤を生む方向に向けることを本来の社会的目的とする機関として眺めた場合、ウォール街の達成した成功の度合いは、自由放任の資本主義の顕著な勝利の一つであると主張することはできない」といわなければならない。

まったく、「一国の資本発展が賭博場の活動の副産物とな」るのは認めがたい。

こうした状況を招来するのは、流動的な資本市場の組織化であり、ケインズはその避けがたい結果として、賭博場化をみていた。

こんにち我が国では、ふつうの庶民がPCや携帯を使い、デイトレーダーとなっている。「公共の利益のために、賭博場に近づきにくい、金のかかるものにしなければならないということは、通常人々の一致した意見である」。これはケインズがいうように「株式取引所についてもあてはまる」。しかし我が国では、「貯蓄から投資」のかけ声高く、証券税制は税を軽減しようとするばかりである。

ケインズのこの言葉をかみしめるべきではないのか。
合衆国において投機が企業に比べて優位である状態を緩和するためには、政府がすべての取引に対してかなり重い移転税を課することが、実行可能で最も役に立つ改革となるであろう。
人々がこうしたケインズの資本市場の社会化や資本の限界効率、投資誘因論の議論を思い出せば、事態は理解できる。

下記のような有名な文言は若い頃に多くの人が読んだはずなのだ。
流動性の崇拝、すなわち「流動的な」有価証券の所有に資産を集中することが投資機関の積極的な美徳であるとみなす教義ほど反社会的なものはない。それは社会全体にとっては投資の流動性というようなものは存在しないということを忘れている。
熟練した投資の社会目的は、われわれの将来を覆い隠している時間と無知の暗い圧力を打ち破ることでなければならない。今日の最も熟練した投資の現実的な、個人的目的は、アメリカ人がうまく表現したように「仲間を出し抜き」、群衆の裏をかき、質の悪い、価値の下がった半クラウン銀貨を他人につかませることである。
時間と無知の暗い圧力に抗して、資本の全存続期間の予想収益を確保するという社会目的を達成する熟練した投資こそが勤労とその成果の資本資産を社会的に生かす道で、資本市場はそうした目的を達成する社会化された場として機能していかねばならないのに、米国人は他人にババをつかませる詐欺瞞着の場にしていったわけか。

フェドスピーク

ずいぶん以前、時間の経過のなかで貨幣を持ち越すと課税されるゲゼルマネーを紹介させていただいたときに、耳がタコになるほど寄せられたギモンに、例えば5%の貨幣税と5%のインフレとは同じことではないかというのがあった。

常識で考えれば、両者はまったく異なっているのがすぐわかる、インフレは貨幣量の増加によって財ではかった貨幣の価格が低下するもので、貨幣量Mが増加している、しかし持ち越し税を負荷された貨幣の導入は、Mを増加させずにVを増加させるものでインフレを引き起こすことはない、と答えたことがある。

そうして、インフレの手法は貨幣量を増大させるわけだから、中銀債務の増加を意味するし、その副作用は無視できない。

翻って課税貨幣は課税部分が有効期限の来た貨幣を償還するさいの一部に充てられるので、貨幣発行当局の財務内容を改善しこそすれ、傷めることはないとも答えた記憶がある。

現在、米国の連銀を始め多くの中銀は量的緩和政策を実行している。量的緩和とはなんだ。それはフェドスピークではないか。単にじゃかすかドル札を刷って、銀行システムのなかに貨幣を溢れさせているだけだろうと指摘する向きもある。

その意見を聞いて、ジョージ・オーウェルの『1984年』を思い出した。そこでは共産主義独裁国家がその支配を強固にするために、極端に言葉の色合いをそぎ落としたニュースピークという語法を人々に強制している。そのニュースピークは人々の内面を支配し、独裁は揺るぎないものとされる。

そういえば、量的緩和という表現も、どことなく中性的で色合いを欠いている。これが、カネの増刷だよ、といえば、人々に、あ、インフレになるのかな、インフレは景気にとってよいかもしれないが、マイナス面もあるなとか、多様な反応を引き起こせるはずだ。

世の中には適度なインフレは好況を伴っていると考える人もいる。しかし好況はカネが市中に出回り、循環してでの話。いまの状況は金融システムのなかに溢れている状況だろう。

それもあって、連銀は金融システムをバイパスして、直接市中にもカネを流そうとしている。有担保の債券(MBS)を直接購入するなどしているわけだ。

保護主義

スティグリッツのブログを読んだら、米国下院が経済刺激策による支出では米国の鉄鋼を使用すべしとの法案を可決したとのニュースに言及していた。危機への対応で、G20で保護主義を回避するという要求があったにもかかわらず可決されたことを懸念している。

そうして、
米国は世界をグローバル化に導いた。米国はいま、米国スタイルの資本主義と不評の米国の金融市場によって、大恐慌の期間、以前一度したように、保護主義の新しい時代に世界を導くのだろうか。
と疑問を投げかけている。

やはりなんだか、危機は長期化し深刻化し続ける感じをぬぐえない。

昨日は、さるMLに軽率にも本能的次元で感じている根拠のない実感を投げてしまった。

・・・

昭和6年は1931年である。

外国でも現在私たちがいる位置は、ひょっとしたら31年ではないのか、と漏らす人がいる。どうみてもオバマは、ルーズベルトよりは戦時公債のモラトリアムを実施したフーバーになってしまうのではないか、バイアメリカンを言って、表向きの自由貿易とは裏腹に保護主義を進めざるをえなくなるのではないか、とかいうのである。この年はたしかに、銀行救済のためにたしかNational Credit Corp.だったかな、それを設立するなど状況は酷似している。そうして翌年、翌々年へと経済は落ち込んでいった。欧州で経済恐慌が深刻化しているのも似ている。

我が国も経済混乱の極みの年。加えて農村部の大飢饉、膨らむ失業者数、労働組合の組織率戦前最高、そしてなによりも非常時を理由に財政において、非募債主義を放棄、財政赤字の急激な膨張が始まる。金輸出再禁止をめぐってマーケットは大混乱、もちろん政治の動きは激烈・・・

まあ時代、時局は異なるけれど、なんだか、09年、第四四半期には経済回復という強気の楽観的な経済予測を読みながら、風邪の引き初めのようなゾクゾク感が消えない。


2009年2月3日火曜日

モダン・グレート

毎日よく飽きずに経済や経済学の情報に接していると思う。

ある小説にこうある。

「ここでは何を専攻しているんだい?」

「近代三大学科(モダン・グレート)よ」

「ああ、哲学と政治学と経済学、ご存じのPPEか。当然、重点は経済学だな」

彼女はうなずいた。

「きみ、マダム、あなたがご覧になっておられる若い男性もまた、家業のゆえにその『陰気な学問』の勉強にいそしんでおる者ですぞ。・・・」

(ジョゼフ・エイミエル、『女銀行家デボラの復讐』(上)、間山靖子訳、新潮文庫、p.258.)

ここでは、経済学を指し、ふつう、「陰鬱な科学」と訳されるdismal scienceを「陰気な学問」と訳しているが、このほうがぴたっとくる。

経済は、こんにちのような状況ではとりわけ人を陰鬱にさせるし、それを扱う学問とは陰気この上ないという気になるから。

陰気から経済回復のアイデアや出てくるのか・・・

貸し渋り

貸し渋りはこんな状況のなかどの国でもひどいが、連銀のサイトで銀行の融資姿勢に関する最新の銀行に対するオピニオン・サーベイが提供されている。

どれをみても、ほぼ「いくぶん緩和」「顕著に緩和」が揃ってゼロ!。「顕著に引き締め」「幾分引き締め」の数値の大きさに目がいく。

銀行救済をいくらしようが、こんな状態では経済は回復しない。

フードスタンプ

CNNが米国農務省のリポートを伝えている。

10人に一人、およそ3100万人が連邦政府のフード・スタンプ・プログラムで食いつないでいるという。

CNNのブログ、「フード・スタンプで生きる」にはフード・クーポンの画像が少しみえる。


2009年2月2日月曜日

米個人所得、消費

さてもう寝ようかと思っていたら、BEAから、

The U.S. Bureau of Economic Analysis (BEA) has issued the following news release today:

のメール(申し込んでおけば送ってくれる)。

08年12月のデータがリリースされる。個人所得が前月比、0.2%減で253億ドル減少、個人可処分所得DPIは0.2%減の251億ドル減、個人消費支出PCEは1.0%減の1024億ドルの減少。

11月の数字も悪かったが、さらに落ち込んでいるなあ。マア、明日ゆっくりみてみよう。

相手あっての話、あるいは課税貨幣忌避

経済はなにごとも相手あっての話。

部分準備の銀行業では信用創造をして銀行はマネーを作る力があるが、これとて借り手がいての話。貸し手だけではどうにもならない。もっとも不況期は借り手はいても貸し手がいないという形で信用収縮の問題が露見しはするが、好景気のとき民間の資金需要に対して経済に内生的なかたちで信用創造による資金供給が対応する。

もともこもない話ではあるが、信用収縮の事実が示しているのはこのシンプルな事実。

民間の信用創造が縮んでいればいきおい国が借り手となってマネーを調達し、支出するということになる。それで、国家の債務がふくらむ。早い話が国民全体が金融システムに対して借り手になるようなもの。

ところで、相手あっての話を忘れる好例が、マネーに課税して減価させるゲゼルマネーへの反論。

時間の経過のなかで減価したり、持ち越し費用の発生するマネーは誰も持ちたくないから、使うというよりは、他の外国貨幣や貴金属などに交換されてしまい、効果がないだろうというもの。

さてさて、減価するマネーを持つ人は喜んで交換に応じるお人好しをどうやって見つけるのか?

相手あっての話である。

幸運にも外国貨幣に交換してくれる人をみつけたとして、交換したら減価するマネーは消えてなくなるわけではい。持ち手を変えるだけ。貨幣として使われ続け、時が経過するごとに金持ちに消費を督励しながら、国庫に税収を得させていく。新たな持ち手は印紙税を負担しなければ、貨幣の額面価額を維持できない。そこで、誰もが、マネーに変えたい物を商っている人からマネーと引き替えに物やサービスを購入するように促される。それがいやなら、きわめて低額の持ち越し税を負担するということになる。

なかには銀行に預ける人も出てくるだろうが、銀行の手元に行ったマネーは迅速に低利で貸し出されるだろう。もし銀行が持ち越し税を回避したいならば。

みな相手あっての話である。

政府紙幣の記憶

少し前に政府紙幣について書いた。

危機の時代、それはいつも着想されるが、我が国の歴史においては、「農本令草案」を書いた岡本利吉が思い出される。

農村恐慌が深化するなか、富士南岳の葛山に農村青年共働学校及び共働農場を開いていた岡本利吉は、昭和6年、権藤成卿の『日本農制史談』を純真社から刊行し、その巻末辞で、「農本令草案」を発表していた。

そこでは単位を「労」とする政府紙幣を発行すべしとしていた。

こんにちの人、一顧しておくに無駄ではないかもしれぬゆえ下記に掲げる。

農本令草案

第一条 将来の貨幣単位を人間労働とする準備を以て、政府わ紙幣十億労を発行しうるものとす 一労は一円に通用するものとす。但し兌換せず

第二条 農地わ左の標準価額を以て國に返納し得るものとす田 一反 二百円 畑 一反 五十円山林 一反 三十円 原野 一反 十円宅地 一反 三百円返納地に定着する物は國に帰属するものとす農地返納者わ破産法の規定に従ひ政府交付金を支給して債務を免れ得るものとす 但し公権を停止せず

第三条 労価紙幣は前条の返納交付金に充当す労価紙幣が返納交付金の支払に不足するときわ、政府は四分利労価公債を発行して之を交付するものとす

第四条 農地返納金が部落内に於ける他の者と共働して農地を共用せんとするときわ、田畑に付てわ収穫物の一割を公租とし、山林に付てわ四分の一の面積の国有林を管理する条件を以て返納地并(ならび)に之に定着する住宅其他の物を使用し得るものとす共働耕作者わ國有林野又は公私有林野を開墾して共用し得るものとす共働共用に関する規定わ別に之を定む

第五条 前条の公租わ田に付てわ米、畑に付てわ小麦、又わ大豆を以てすべし其品質わ穀物検査の合格品たることを以て足る収穫物の種類に応じての公租数量算定や公租納入の方法等わ別に之を定む

第六条 國の田畑に付き市町村わ公租の二割、府県は其一割を収得するものとす國、府県、市町村の会計わ歳入に依つて歳出を定むべきものとす

第七条 官吏、公吏、傭人其他の者に対する労務報償、恩給並に年金の類は支払額の三割以内を米、一割以内を小麦にて支給し得るものとす此場合に於ける米及び小麦の価額わ労務報償恩給年金等を定めたる当時の時価を標準として別に之を定む

第八条 農村部落は農家一戸の耕作地が平均五反となるまで其府県出身者が都会より帰農するを拒み得ざるものとす。但し林野開墾の耕作地わ之を算入せず部落が共働耕作を為す場合には帰農者は其一員たらしむべきこと

風船と針

米国では、かつてのITバブルのときはテクノロジー関連株式、ITバブルが崩壊したら不動産にラッシュ、そこが変調をきたすと昨年夏のようにコモディティへ、余ったカネは行き場を探すものだが、この危機のなかでは、カネ(を持つ者)は欲張りだが臆病なので、安全で流動性の高い、短期の財務省手形、中期の財務省債券や証券に姿を変えている。財務省の証券類は買い手がひきもきらないということだ。利回りがきわめて低いことがそれを示している。

これは政府には、とりわけ巨額の借金をしようとしている政府にはこたえられないことだ。なぜなら「政府当局者自身が銀行組織を通じて名ばかりの利子率で無制限に借り入れることができる」(ケインズ)状況だからだ。公債がバブル状況を示してくれることは政府には好都合。ましてやオバマ政権は銀行救済で経済刺激策にくわえてさらに2兆ドルは必要だろうといわれている。

まことに、米国という家庭はカネがかかる家だ。国民を家族に喩えれば、家族である消費者は借金まみれで、家計債務の対GDP比率はほぼ100%。加えて政府という家全体の債務が、経済対策でぐんぐん上昇していき、5割を超えるのではという予測もある。つまり家族は借金まみれで、支出しろといっても無理。代わりに家族を代表する政府が支出して経済回復というわけだが、こんどは政府の借金が増える。

いうまでもなく、国は施策の実施にともなうカネをまかなうために税金を集める。使うカネが税収を超えてしまえば、借金するしかない。政府借用証書である債券を売ってドルを手当するよう財務省に命ずるわけだ。

しかし、カネは臆病だ。米国に向ける視線は、いつかこの公債バブルは破裂するのではないかと踏んでいる。問題はそれがいつかである。このところそれを囃す向きも増えてきた。とくにオバマの経済政策が経済立て直しに効果がないと予測する人ほどそうだ。銀行の救済もうまくいかん、信用も崩壊状態のまま好転しないとなれば、次々政府は対策を迫られる。それは公的債務を肥大化させ続けるからだ。

オバマの経済政策が財務省証券のバブルという膨らんだ風船を破裂させる針になるのではという懸念がアタマをもたげてきているか、本日は一仕事終わったら詳しく調べてみよう。

2009年2月1日日曜日

電柱に巻き付けられた自動車

休日、各種のブログを読むのは楽しみでもある。

時折読むサイトでオバマパッケージに対する皮肉の効いた一文を読む。ではどうするの?ということはさておき、楽しめる。

・・・銀行への流動性の追加は電柱に巻き付けられた自動車のタンクに燃料をいっぱいにするくらい有益だ。銀行は誰に貸すつもりなんだ?そして世界で一人当たりもっとも高くて非効率なヘルスケアに支出を増やすことは、痛みを和らげるために、その自動車のドライバーにウォッカのボトルを与えるようなものだ。

消費者は支払い能力がない。賃金の中央値が戻るまで、そうすべきではないのだが、再び消費のために借り入れることはないだろう。国はグリーンスパン時代の遺産やシカゴ学派の経済的カーゴ・カルトを払いのけるべきだ。

地獄へ降下

ルモンドが「日本:電気大手、地獄へ降下」という記事を書いている。

12月の鉱工業生産が9.6%減、失業率4.4%等々の統計数字、企業の大量人員削減、巨額損失の決算数字・・・

壊滅的な数字がならぶ。

詳細は人の知るところなので省略するが、改めて外国での報じられ方に接するとギョッとする。

まさに「地獄への降下」。

銀行破綻

米国では銀行破綻が続いているようで、久しぶりに連邦預金保険公社のサイトで破綻銀行リストを見てみた。

もう、今年に入ってから6行。

州政府の財政も悪く財政赤字に苦しむ諸州が多い。46の州が赤字だそうで、銀行もカネを貸さなくなっているそうだ。

「われわれは大恐慌より悪いなにかの瀬戸際にいる」とのことばが目をひく。

失業率

我が国の12月の完全失業率は4.4%で、前月比0.5ポイントも跳ね上がる悪化ぶりだが、米国のそれは、政府発表より悪く、すでに二桁で、10%に行っているのではという話。

有害廃棄物

オバマ政権は、bad bank(日本語ではなんというんだろう?不良銀行か(笑))を政府が運営して、金融機関が抱えている不良資産を買い上げることを検討しているらしい。それには4兆ドル必要との試算も。

売るに売れない、処分できない資産を金融機関のバランスシートから外してやらなければ、金融機関をいくら支援しても経済にカネがまわらないからだろう。

この動きを見ていて、ツイ思い出してしまうのが、産廃の不法投棄だ。

バッドバンクが買い上げるという不良資産をマイケル・ハドソンが、「経済の有害廃棄物」と表現しているが、まさにそうで、この廃棄物を出したのは当の金融機関自身だ。

環境問題なら排出者が処理する責任がある。しかし違法投棄する業者がいて、カネを儲けただけで、廃棄物を処理せず捨て逃げしてしまう。それで結局、行政が税金を使って処理することになる。たまにテレビで取り上げられる東京近郊にみられる廃棄物不法投棄だ。テレビを見ながらヒドイことをする業者がいるもんだと人は慨嘆する。

考えてみれば、これと同じだ。自分の不始末を行政に、最終的には納税者につけ回す。当事者にしては結構なはなしではある。

この話は、米国に限らない。

例えばドイツでも、バッドバンクに1200億ユーロ必要とかの議論があることをシュピーゲルが伝えている。