2010年1月9日土曜日

日めくり2010-01-09

「・・・戦後期を支配したフランスとイギリスの若干の運命を較べてみるのは、興味深いことである。イギリスでは、当局者たちは、フランスの当局者たちのように馬鹿げた考えを口にしたり、あるいは健全財政の原則に大きく背いたことはけっしてなかった。しかしイギリスは、過渡期を脱してみると、戦債の負担が重くのしかかり、アメリカ合衆国に対する債務も少しも減少しておらず、デフレーション財政がなお優勢であるという有様であるし、さらに、この過大債務に対応して税負担が重く、デフレ財政の結果として100万人の失業者が存在していた。一方、フランスは、国内の戦時公債を五分の四も切り捨てたし、連合諸国を説得して外債の半分以上を減免してもらっていた。しかも現在、デフレーションという犠牲も回避しつつある。そのうえフランスは、保守的な財政と資本主義の原則とに対する評判を少しも損なうことなく、これをなんとか成しとげているのである。フランス銀行はイングランド銀行よりもずっと強力であることが明らかとなっており、だれもが、フランスこそは手堅い貯蓄と金利生活者の心理との最後の砦であると思っている。たしかに正直者が馬鹿をみる。」(ケインズ、「インフレーションとデフレーション」)

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