2010年9月6日月曜日

1PhrasePerDay投機

投機といえばなんでも悪と考える方もいるだろうが、善悪の判断をなすとすれば、やはり基準があるべきであろうとも思う。市場システムで多数の参加者が売買を通してその利便を享受しているが、その市場で投機もまた行われる。簡単に言って公衆の利益にかなっているかどうかで有益か弊害を為すかを判断することになるのだろう。異時点間の価格の均等化は公衆の利益になると考えるべきだな。

アーヴィング・フィッシャーの古典的な著作、『アメリカ株式恐慌と其後の発展』、金原、小高訳から該当部分の文章を抜き書きしておくか。

「投機はそれ自体有益なる機能を果たす場合も弊害を伴う場合もある。投機が異なる時期に於ける価格の不平等を減少するに至れば、それは有益な機能を果たしたのであるが、もし其の不平等を加重する如き場合は弊害となる。最初の場合は正常なる投機と呼ばれ得るものであって、投機業者と一般公衆の利益は大体一致している。此の場合もし投機業者の予測が的中すれば、彼は利益を受ける。所が、彼が価格騰貴の傾向ある時に儲け様とするが為には、騰貴の傾向を緩和する事に依ってのみ其の目的を達することができる。同様に価格下落の傾向ある場合に於いては、下落の傾向を緩和する事に依ってのみ儲け得るのである。彼が何れかの方向への投機を誤ったとすると、彼は損失を蒙る。而して此の損失は価格の不平等を加重した為に彼が負担する罰金である。正常なる場合に於いては投機業者の利益と公衆の利益とは平行している以上、賢明にして有益なる投機に対してはプレミアムが付くと共に不賢明にして有害なる投機には罰金が課せられる・・・

投機の主要なる弊害は専門家外のものが投機を行う結果であって宛も乱暴なる自動車の操縦から来る主たる弊害が不熟練な運転士から生ずるのと同様である。

とは言え、専門の投機業者は常に公衆の恩人であると想像してはならない。彼の予測の誤謬よりして、彼並びに社会が多額の損失を負担する事があるばかりでなく、彼は時に相場を煽り価格を操縦する事すらあるのである。相場を単に予測する事と操縦する事とは雲泥の相違である。商業的投機業者が将に生ぜんとする価格の騰落を利用して利得を得んとひたすらに努力する限り公衆の恩人ではあるが、彼が虚偽の報道をしたり買占めをしたり或いは突如大空売りを行うとか、更に進んでは相誘って恐慌を招来するような陰謀を策したりして価格の騰落を創造してこれを利用するときは市場の攪乱者と目すべきである。要するに、投機業者が価格の変動を正確に予測して之を緩和する時は彼は有益なる機能を果たしたのであるけれども、彼が価格を操縦して其の変動を加重する時は大なる弊害を齎すものである。」

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