2010年9月16日木曜日

円とゴールド

何が起こっているのか、事情をよく観察している方の要を得た見立ては忙しい人には参考になるかもしれない。The Economist のこの記事は一読のカチありかな。

本日、日本は円を引き下げるために介入した。2004年以来初めてである。そうして何らかの初期的な成功を収めた。もちろんスイスもフランを引き下げる様々な試みをしてきたが、その通貨は今、ドルと同等である。・・・サッチャーを再引用すると、「市場に強固に抵抗することはできるが、長期間にわたってはそうではないかもしれない」・・・

HSBCのデヴィッド・ブルームがこの動きについて指摘しているように、日本にとってこの介入のコストは大きいものではない。円を売りドルを買うのはいっそう多くの円が作り出されることになり、それはインフレ的でありうるが、僅かな日本のインフレはよいことであるだろう。

私の関心は通貨の評価を下げたいと望む諸国の一般的傾向にある。誰もがその通貨を下落させて輸出を増加させることで、成長を後押ししたがっている。もちろん全員が成功するわけではない。誰かが純輸入を増加させざるをえず、その通貨を高くしなければならない。明らかに候補者は中国であるが、彼らはそれが起こることを(少なくともその他世界が望むペースでは)望んでいない。

結果はデフレの小包渡しゲームに似ており、そこでは最終的に通貨を高く評価される諸国がプレッシャーを感じ、トレンドを反転させようと試みる。

私は財務省証券利回りがこれほど低いときにゴールドがこれほどよくなる(昨日、名目的な新高値に達した)理由を説明するのに苦労してきた(一方はインフレヘッジであり、他方は上昇する価格にあっけにとられている)。しかしおそらく答えは簡単である。世界中の投資家たちは当局がその紙の通貨を引き下げたがっているいるのを知っている。どこが成功するかは分からない。しかし自国の当局が競争に勝ちを収めたときのために、ヘッジとして幾ばくかのゴールドを購入している。

投資家は諸国が通貨の切り下げ競争をしていることを知っている。しかし自国がそのゲームに勝つかどうかはわからない。しかし勝ってしまうとインフレがくることも知っている。インフレにはヘッジしておかねばならない。ゴールドにも目がいく、ということか。

我が国は、デフレから脱却し、通貨安、インフレによって成長をうながす競争で、一人負けに追い込まれるんだろうな。米国が中国に通貨操作国のレッテルを貼って攻撃したいときに、わざわざ中国を助けるかのように為替操作国の汚名を進んで着てあげる、あるいはそういうタイミングでやむなく介入するところに追い込まれる。ゲームのプレーヤーとしてお人好しといわざるをえないと感じる人もいるやに違いない。

まあ国際的なゲームでお人好しに居場所はないので、一人負けの役回りが似合いということか。せめて、この国の投資家はソンを踏まされぬよう。


Currencies, gold and international competition: The yen and gold | The Economist

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