2011年12月18日日曜日

リーマンのときより深刻

欧州の銀行は危機にある。「我々はもう一つのリーマン・モメントに瀕しているのか」、「もう一つのクレジット・アンシュタルト・モメントに瀕しているのか」という問いかけをせざるをえない。後者は1931年の危機のとき破綻した欧州で最大の銀行の一つであったクレジット・アンシュタルトの破綻のことであり、その破綻が大恐慌を最終的に特徴づける銀行破綻の伝染の引き金になったと考えられている事例である。

「リーマンブラザーズが2008年に破綻したとき、米国政府は金融システムに急速に拡大した問題に取り組む能力を持っていた。言い換えると、米国経済の絶対的な大きさとその金融政策のメカニズムがそれを完全に支援することを可能にした。そして必要なら、問題を金融システムのなかに吸収しえた。これはクレジット・アンシュタルトの事例とは違っていた。オーストリア政府はクレジット・アンシュタルトの支援に乗り出そうとしたが、オーストリア経済にとってそれは吸収するには大きすぎた。その結果、世界中の諸国に危機を広げることになった。これは現在多くの欧州の主権国家が直面している問題であるばかりか、また実際には地域全体にわたる銀行の壊滅的な不良債権問題のコアにあるのは主権国家自体である。・・・クレジット・アンシュタルトが破綻したときは、世界経済はまだ金本位制のもとで運営されていた。これにより緩和的政策支援で対応する能力が制約される。代わりに、世界の指導者たちは金の流出を抑制するために、積極的に金利を上昇させるなど、より限定的な政策行動を・・・余儀なくされた。これはユーロ共通通貨では今日の問題である。独自の独立した通貨を持つ主権国家は金融緩和と通貨切り下げで対応することができるだろうが、相対的な高金利と頑固に固執される一元的金融政策による、・・・そしてまた金融政策には柔軟性がなく成長を制約される緊縮財政を提供される。・・・従って、欧州のソブリン債務危機に伴うリスクもリーマンのエピソードよりも深刻である。政策立案者が市場の流れを食い止めるために積極的に介入する能力や決意と柔軟性を持っていても、欧州で銀行破綻が発生した場合、これらを容易に利用できない・・・。そしてこうした働きなしにもう一つのクレジット・アンシュタルト・モメントの脅威に我々は直面している。」

欧州の共通通貨においては金本位制のころに似た条件に置かれる。そうしたユーロ圏で銀行の危機に直面している。リーマンのときとは違うのである。政治が無為にすごすか、なんらかの対応がとられるのか、しかしその場合も米国政府がそうであったような緩和的な政策が十分とれるわけではないだろう。さて事はどう展開するのか。

Forget Lehman, Watching For Another Credit-Anstalt Moment - Seeking Alpha

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